流れを計算する手法.pdfVIP

流れを計算する手法 川の複雑な流れを正確に再現するためには，三次元計算を行うの が最も望ましいのですが，開発段階にあるのが実状であり，実用化 には到っていません。近似的に流れを計算する手法としては，流れ を一次元，準二次元，二次元，あるいは準三次元的に取り扱うこと になります。 またそれぞれの流れに対し，時間的および空間的な変化を考慮す る違いによって，等流，不等流，不定流に分類されます。 注）等流，不等流，不定流 流れの分類および概要 場所に対する変化がないもの。 水路内のどの断面においても水深や流速の等しい流 れ。 等 例えば人工の水路などでは，流量が人為的に操作され 流 時間の経過 るため，洪水とは無関係に一定量が流下します。また 定 によって水 断面も人為的につくられたものであるため，場所ごと 常 の変化もありません。このような流れが等流です。 流 深や流速な どが変化し 場所に対する変化があるもの。 ないもの 水路の断面が絶えず変化し水深や流速が各段面によっ 不 て変化する流れ。通常（洪水のない場合），川を流れる 等 流量は時間的にほぼ一定と考えられますが，水深や流 流 速は場所ごとに異なります。このような流れが不等流 です。 （ 非 時間の経過によって水深や流速などが変化するもの 不 定 定 例えば洪水時の河川では，川を流れる流量は一定ではなく，特に増水期 常 流 流 や減水期には大きく変化します。また下水道なども時間により排水量が ） 変化します。このような流れが不定流です。 水位計算手法の概要（流れの計算分類） (1)時間的，空間的分類 流れの計算式は時間的，空間的に変化するかどうかで次のように分 類されます。河川の計画を立てる場合の目的や対象となる河川の状況 に応じて使い分けされています。 流れの 概 要 具体的な活用例 分類 等流計算は，断面形および勾配が縦断的に変化 人工水路などの流れ 等 しないと考えられる水路に，時間的に一定の流 を計算する。 流 定 量が流れる場合に水位や流速を計算するもの。 常 不等流計算は，断面形および勾配が断面的にお 将来の計画時におけ 不 流 だやかに変化する水路に，時間的に一定の流量 る流れの状態（水位） 等 がながれる場合に水位や流速の縦断変化を計 などを計算する。 流 算するもの。 不定流計算は流量の時間的変化が無視できな 流量変化のある実河 不定流 い場合に、水位や流速の縦断的、時間的変化 川の洪水を計算す を計算するもの。 る。 (2)空間的分類 流れは空間的な広がりを持つことから，流れを解析するには３個の 空間座標すなわち，三次元で解析する必要がありますが、実用上の目 的から判断して、準３次元、２次元および１