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2005年度卒業制作.doc
2005年度卒業制作
小熊英二研究会
焼跡闇市の記憶と<妄想>の軌跡
―「破滅芸人」野坂昭如にみる日本の「戦後」―
環境情報学部4年 t02260ck] 金子 ちひろ
<概要>
「焼跡闇市派」を自称する野坂昭如は、小説家として「私小説」「自伝小説」にこだわり続けると共に、戦後に生きる日本人に向けて、「昭和ヒトケタ」として、単なる「反戦」でも「平和主義」でもない独特の思想を訴え続けてきた。「終戦」から遠く離れるにつれて、いっそう濃く鮮やかになっていく焼跡闇市の記憶がフラッシュバックする作品群と、戦後日本と、「戦無世代」に警鐘を鳴らし続ける言動や行動の間に横たわるものとは何か。それは、戦争によって引き裂かれた自我を直視できず、フィクションと現実の狭間で自己矛盾に苦しむ内面の葛藤であり、戦後日本社会が忘却?隠蔽しようとした飢餓の記憶や一面の焦土のイメージに対する「恐怖」/「憧憬」というアンビバレントな心情であった。
野坂昭如にとって、「終戦」とは、もう一つの「戦争」の始まりであった。戦後日本社会の中で、内部に「戦争」の記憶を奥深く抱え込み、「戦後」という自分自身にとっての新たな「戦争」の時代を生き始めた野坂は、平和と繁栄の世の中を拒否しながら、「戦無世代」へ向けて、増幅する記憶を言葉に変えて吐き出し、執拗に語り伝えてきた。だが、その語りは、ふとした瞬間に焼跡闇市の時代に意識が舞い戻る「戦後」の野坂が、「戦争体験とどう向き合うか」という問題と密接に結びついたものであると同時に、戦後日本社会の変化と複雑に絡み合うものだった。それぞれの時代における戦争体験との向き合い方や戦後日本社会との関わり方は、野坂の語りや行動は、「焼跡闇市派」あるいは「昭和ヒトケタ」という土台に立脚しながらも、様々な形をとって表れ、変化を遂げる「時代の表象」であった。
本論文は、小説家の他にも歌手、裁判の被告、政治家など、さまざまな肩書きを持った「破滅芸人」野坂の思考様式が、どのような過程を経て形成されてきたのかを、戦後日本社会における野坂の言動、行動および作品の軌跡を追いながら検証する。そして、焼跡闇市へと立ち返ろうとする「野坂昭如」史と日本戦後史の交錯のうちに、「野坂昭如」という現象を通して見る日本の「戦後」のもう一つの姿を描き出すことを試みるものである。
<目次>
1.序論
1-1.問題意識
1-2.研究対象
1-3.研究手法
1-4.既往研究
1-5.作業仮説
2.本論 ―「破滅芸人」の精神―
2-0.「野坂昭如」の定義 ―「昭和ヒトケタ」と「焼跡闇市派」―
2-0-1.「昭和ヒトケタ」
2-0-2.「焼跡闇市派」
2-1-3.「野坂昭如」の位置
2-1.戦争体験の刻印 ―「戦後」の始まり―
2-1-1.養子の自覚、二人の妹
2-1-2.空襲と疎開、妹の死
2-1-3.「終戦」の実感、焼跡闇市の彷徨
2-1-4.飢餓地獄からの生還、野坂家への復籍
2-2.作家?野坂の誕生と「焼跡闇市派」宣言
2-2-1.黒眼鏡のプレイボーイ ―作家デビュー前夜―
2-2-2.「アメリカひじき」と「火垂るの墓」
2-2-3.メディアの寵児 ―直木賞受賞以後―
2-3.全共闘へのシンパシーと「心情三派」宣言
2-3-1.六〇年安保への無関心
2-3-2.エンタープライズ号寄航、アメリカ体験
2-3-3.「心情三派」の表明 ―東大紛争と「花の全学連」―
2-4.政治活動への開眼と「四畳半襖の下張」裁判
2-4-1.雑誌『面白半分』と「四畳半襖の下張」
2-4-2.初の立候補 ―参議院選挙?東京地方区―
2-4-3.「四畳半」裁判をめぐって ―言葉のたたかい―
2-4-4.裁判の余波 ―「破滅芸人」の七変化―
2-5.現実からの「逃走」、現実との「闘争」
2-5-1.二度目の立候補と「新潟三区の戦い」
2-5-2.「天皇」との対峙
3.結論 ―「妄想老人」の提言―
3-1.戦争体験の「記憶」と「語り」 ―「戦後」の屈折と乱反射―
3-2.「野坂」史の再検討 ―戦後日本にとっての「野坂昭如」―
4.参考文献
5.謝辞
1.序論
1-1.問題意識
第二次世界大戦末期、神戸大空襲で戦災孤児となった兄妹の悲惨な最期を描いた「火垂るの墓」は、『二十四の瞳』や『ビルマの竪琴』などと並んで、日本で最も広く親しまれている戦争物語のひとつである。作者?野坂昭如の戦争体験をモチーフとしたこの小説は、戦後日本に根強く巣食うアメリカ?コンプレックスを巧みに描いた「アメリカひじき」とともに第五十八回直木賞を受賞し、
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