春风馆文库.PDFVIP

平成 12年度 近世史料館秋季及 春風館文庫 r-、 期間:平成 12年9月26日(火)~11 月 26 日(日) 場所:金沢市主主川図書館近世史料館展示室 ，r- ι1J月妥若手24家 金沢市立玉川図書館近世史料館 はじめ~:#g 今年4月、金沢市泉野出町在住の村上康正氏から、江戸末~明治期の武道家と して、また書道や禅などで著名であった山岡鉄舟の剣術関係を中心とした資料約 1000点が、近世史料館に寄付された。 とれらの資料は、鉄舟の弟子から剣術の教えを受けた村上氏が「春風館文庫」 として収集したもので、内容は、剣術関係書のほか、漢籍、宗教書、海軍関係資 料などから、防具、万剣、写真まで多岐に及んでいる。中でも、鉄舟直筆の書や、 携えていたと伝わる万などは、特に貴重な資料と云える。 今回の展示では、寄付された資料の中から、無万流を確立した剣術家としての 山岡鉄舟の横顔や、剣術道場「春風館Jの成り立ち、足跡を探る。 - \ F饗語表鱗議議室、こ務総~を 「春風館Jとは明治15年 (1882)に山岡鉄舟が開いた道場名であり、そ の語源は鎌倉円覚寺の関山仏光禅師の「電光影裏春風を斬る」に依るものである。 村上氏の蔵書も鉄舟ゆかりの道場名にちなみ「春風館文庫j と名付けられた。 山岡鉄舟、通称は鉄太郎、詮は高歩(たかゆき)、字は猛虎 ・鉄舟・一楽斎など。 幕直小野朝右衛門の五男として生まれ、のち槍術の師山間家を継ぎ山間姓とな る。妻は三舟(勝海舟 ・高橋泥舟・山岡鉄舟)と称されたうちの一人高橋泥舟の妹 である。 以降、幕府講武所の剣術教授、議士組取締役等を経て、徳川慶喜警回の精鋭隊 頭をつとめ、駿府において西郷隆盛と会見し、江戸開域を決めた。 明治以降は茨城県参事、伊万里県令を歴任し、明治5年からは天皇側近として 仕え、 15年とれを辞し、明治21年 (1888)53歳で没したo 展示品解説 1 -服忠賊兵法秘伝書 鵜殿長快撰 文化10年 (1813) 「一万流兵法目録j、 「流派系図Jなど一万流の秘伝をまとめたもので、題集には 一子相伝と記されている。明治12年に山岡鉄舟が「観之Jと奥書にあり、鵜殿長快 の高弟井戸金蔵らをへて、無万流に引き継がれた伝書である。 鵜殿長快は伊藤一刀斎から数えて 13代目にあたり、享和2年 (1802)師小野 半左衛門尉貞雄より印可・弟子を譲り受けている。 2 小野次郎右衛門忠喜公しない打許すの達書 山岡鉄太郎写 天明7年 (1787)、小野次郎右衛門が門弟中に対し、竹万を用いた試合、稽古 r- について達したもので、明治19年に山岡鉄舟が書き写している。 3 一刀流兵法目録 明治14年1月30日 山岡鉄舟が、師浅利又七郎義明から流派の免許を受けたもので、印可の内容が目録 として記されている。 4 小野次郎右衛門忠明公免状小野派一万流二代 慶長 10年 (1605) 5 小野次郎右衛門忠常公書状 三代 6 小野忠弥忠久公書状 四代 小野一万流歴代の書状。小野次郎右衛門忠明の書状は、流派の印可について大民部 に宛たものである。 r- 7 山岡鉄舟商像 8 江戸開城和平交渉始末筆記 慶応4年 (1868)、江戸を目指して東海道を上ってきた官軍に対し、徳川家の 行く末を案じた鉄舟は、静岡に出向き、東征軍