弁当を利用しての咀嚼力向上の试案 - 帝冢山学院大学图书馆.pdf

弁当を利用しての咀嚼力向上の試案人間科学部研究年報　平成 22 年 弁当を利用しての咀嚼力向上の試案 Improvement test of chewing power using the box lunch 福田ひとみ、平川 智恵、香野 美佳、片山 千紘 Hitomi Fukuda, Tomoe Hirakawa, Mika Kono, Chihiro Katayama 　The total numbers of chewing strokes and the total chewing duration more increased in a proposal lunch box than in a commercial lunch box.　The numbers of chewing strokes （strokes/g） of unpolished rice were 1.6-fold of the polished rice in “the group to bite well” and 1.8-fold in “the group who they did not bite well”.　The numbers of chewing strokes of the hamburger were increased by adding lotus root in “the group to bite well”, but were not in “the group who they did not bite well”.　The chewing durations （second /g） were similar these results of chewing strokes. It was suggested that the chewing forces were increased by changing recipe and cooking ingredient.　Further, we are going to examine the effects of the combinations and size of ingredients on the chewing. 　現在の日本の食生活を 20 年前と比較すると、ファーストフードをはじめとする軟らかい食品 1） が氾濫し、食事時間は短縮傾向にある 。さらに、手軽に摂れるサプリメントが多用されること による咀嚼回数の減少や食事にかける時間の短縮が問題視されている。これらを背景として、肥 2） 満、糖尿病などの生活習慣病が増加傾向にあり 、その対策として国は食生活指針に「しっかり 噛んでゆっくり食べる」ことを取り上げている。 　咀嚼は、食べ物を噛み砕く食物摂取行動であるが、全身の機能を活性化する重要な役割も担っ ている。「よく噛む」ことによる効果として、唾液分泌の促進、脳内血流の増加、覚醒度の高揚、 食後体温の上昇、脳内のセロトニン分泌の増加、および満腹中枢を刺激し満腹感が促進すること があげられる 3-6） 。さらに、肥満の軽減や予防、脳への刺激や知能の発達、情緒の安定等にも関係 7, 8） 9-11） していると言われている 。また、咀嚼回数の減少による種々の弊害が取り上げられており 、 12） 特に若い世代においては、堅い食べ物や歯ごたえのある食べ物を好まない傾向にある 。