教育手法と效果测定-消费者庁.pdfVIP

消費者教育推進方策研究事業（教育手法と効果測定）調査研究報告書の概要 １．研究事業の目的と方法 本事業は、平成２２年度消費者庁の一般競争入札に基づく 「消費者教育推進方策研究 事業（教育手法と効果測定）」として、国立大学法人お茶の水女子大学が落札し、平成 ２２年９月２８日から平成２３年２月２８日を契約期間として、消費者庁の仕様書に基 づき、実施した。 （１）研究事業の目的 消費者被害・事故に遭わない消費者を育てることに主眼を置いた中学校家庭科にお ける効果的な消費者教育の教育手法等に関する調査研究を行う。 （２）研究事業の方法 ①消費者教育推進方策研究事業検討委員会の設置 消費者教育に関する知見を持つ有識者 （大学教授又は同等相当）５名以上を構成員 とする委員会を設置し、効果的な消費者教育手法と効果測定について検討を行うとと もに、研究授業で使用する教材等を作成する。 ②研究授業の実施、運営 消費者被害・事故に遭わない消費者を育てるための授業として、ゲーム方式、ロー ルプレイング方式、グループワーク方式、講義方式等の複数の教育手法により研究授 業を実施し、それぞれの教育手法について、研究授業の実施前、実施後、一定の期間 経過後に、効果測定を行い、その結果を分析する。４種類の教育手法による研究授業 （１コマ５０分、１コマ以上）を２校で行う。 ２．研究経過 （１）研究実施体制 (報告書 第Ⅰ章) 消費者教育推進方策研究事業検討委員会は、学識経験者として、教育方法の専門家 である市川伸一東京大学大学院教授、消費者教育の専門家である色川卓男静岡大学教 授を外部委員に委嘱し、実施・運営を円滑に進めるために、お茶の水女子大学内に研 究員メンバーによる研究会を組織し、運営作業に当たった。 研究授業は、お茶の水女子大学附属中学校１年生４クラス及び隣接する文京区立音 羽中学校１年生３クラスに協力依頼を行って実施した。 （２）指導計画の作成 （報告書 第Ⅱ章） ①中学生の消費者被害の実態を知るための予備調査を行った。 ②｢だまされないセンスを身につける｣ことを目標とする指導計画を作成した。 ③家庭科教育における教育手法について検討した。 ④学習効果の測定方法について学ぶとともに、 ⑤研究授業の推進に際しての研究倫理規定を検討した。 （３）研究授業の実施 （報告書 第Ⅲ章） ①学習効果を数量的に把握できるよう、事前・事後調査票を作成した。 ②４つの教育手法を用いた授業の前後に１回ずつの授業を行うこととし、第１回の学 習指導案及び第２回目の４手法別の学習指導案４種類、第３回目のまとめの授業の学 1 習指導案の合計６つの学習指導案を作成した。 ③それぞれの授業で用いる教材 （ゲーム、ワークノート）を購入し、教具、ワークシ ート等を作成した。 ④研究授業は、文京区立音羽中学校３クラス各３回、お茶の水女子大学附属中学校４ クラス各３回の計２１回実施し、ビデオ記録、写真記録、観察記録を作成した。 ⑤授業者反省と感想、観察者の感想、この時点での消費者教育の課題をまとめた。 ３．研究結果 （１）研究授業の効果＜事前 ・事後調査から＞（報告書 第Ⅳ章 １） 学習効果の測定のために、３回の授業で１回ずつ、合計３回、生徒を対象とした無 記名の質問紙による調査を行った。調査対象生徒数は７クラス２２７名～２３３名で ある。 ①知識の習得の効果を見るために、 「ただほど怖いものはない」、「悪質商法の手口 （架空請求 キャッチセールスなど）」、「相談機関（国民生活センター 消費生活 センター）」、「クーリングオフ」のそれぞれについて、「知っている」「聞いたこ とはある」「知らない」の３つの項目から回答を求めた。 知識の習得に関しては、４つの手法いずれの場合においても、２回目の講義で「知っ ている」割合が大幅に増加し、３回目の授業でさらに理解度は向上した。特に講義方式 は、小人数クラスで生徒全員が参加して教師と密接なディスカッションが可能であった ことから知識の習得全体に好成績を示した。またゲームが消費者被害に関して幅広く情 報提供するツール