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整形外科領域の症候 Ａ．痛み、コリ、体の不調となる原因 ストレスの多い現代社会、ライフスタイルが多様化・高度化すると裏腹にオフィス内の職業病や生 活習慣病などが多発している。見逃せないのが現代人の 80%に背骨に異常があること、それらによって 引き起こされる様々な病苦に悩まされているという現実である。人体にとって柱である大切な背骨が 歪み、ズレ、すべり等のトラブルを引き起こせばいったいどうなるか。椎骨と椎骨の間から出ている 神経の分枝を圧迫または緊張させ、その神経が支配する末梢器官が十分働かずエンストを起こしてし まう。 Ｂ．腰痛 腰痛の原因としては、大きく４つの要素が考えられる。①背骨の変形や筋肉疲労による腰痛、②内 臓疾患からくる腰痛、③精神的要因からくる腰痛、④肥満・その他が原因で起こる腰痛。 （１）背骨の変形や筋肉疲労による腰痛 背骨の変形や椎間板ヘルニアによって脊椎管が狭くなると、脊髄や神経を圧迫して、痛み、しびれ、 麻痺といった症状が現れる。しかし実際に一番多いのはこれら神経の圧迫ではなく、背骨が変形し、 そこに運動不足などで弱くなった筋肉に大きな負担がかかり、疲労することで痛みが起こることの方 が多い。腰の椎間板ヘルニアの場合、ほとんどは、お尻から太ももの裏側にかけて痛みが走る。お尻 より上、つまり、いわゆる腰が痛いというのは、このような筋肉の疲労によるものの方が多い。 （２）内臓疾患からくる腰痛 胃、腸、胆嚢、膵臓などの消化器、腎臓、尿管、膀胱などの泌尿器、子宮、卵巣などの生殖器の疾 患、血管系によっても腰の痛みは起こる。例えば、胃や十二指腸に疾患がある場合でも、腰痛として 現れたり、腎臓や尿路結石でも腰に激しい痛みが起こることが多い。婦人科領域では生理痛で、腰周 辺に痛みが出ることがよく知られている。 （３）精神的要因からくる腰痛 色々と検査しても異常が見つからないが腰に痛みを訴える。つかみどころのないのが心因性の腰痛 である。これにはストレスや心の病が大きく影響する。心因性腰痛の特徴は、痛みの程度や場所が一 定せず、日によって変わること。また、不定愁訴を訴える場合もあり、長期化するケースも少なくな い。職場や家庭での悩み事、ストレスなどを、体は腰で解決しようとする（あるいは腰痛に形を変え て逃避する）場合もある。その時に腰痛が起こる。 （４）肥満・その他が原因で起こる腰痛 その他、腰の打撲や捻挫、あるいは激しい咳、尻もち、ケイレンの後、更に中腰での掃除、洗濯、 アイロンかけ、職場の仕事など、不自然な姿勢を長時間続けるのも腰痛の大きな原因となる。ところ が意外に知られていないのが肥満である。体の重みが腰に必要以上の負担を強いるため、腰に痛みが 発生する。加えて肥満している人の多くは、体重に見合った筋力を伴わない、つまり体重に負けてし まうような弱い筋肉の持ち主が多く、体の重心が前へ傾いてしまいがちになる。そこで、無意識のう ちに上半身を後ろに反らせる力が働く。そのため体のバランスを崩し、腰痛になりやすい傾向が生ま れてくる。また、結核菌や細菌などによる脊髄の炎症、脊椎や脊髄に腫瘍ができた場合などにも、激 しい痛みが腰を襲う。 ★腰痛は病気のシグナル★ 腰痛・肩こりの原因は、実に多くある。腰痛については、骨に関する形態異常、椎間板のトラブル など直接的な原因を持つ場合から、筋肉の衰えなどを原因とする腰痛症、さらには内臓疾患まであり 得る。具体的に挙げると、主なものでも次の通り。 変形性腰椎症、姿勢性腰痛、筋・筋膜症による腰痛、椎間板ヘルニア、脊髄の病気による腰痛、 内臓病による腰痛、など。 腰痛症：脊柱（脊椎）や内臓に異常が無くて腰痛がある場合は 「腰痛症」と呼ばれる。腰痛症の原 因として、肥満（体重増加）や筋力低下によって‘脊椎と骨盤の微妙なバランス’が崩れてい ることが多いと見られる。 骨老化 ：骨の老化は、残念ながら２０才前後から始まる。骨盤は体の要となっており、骨盤がズレ ると他の骨や神経等に影響を及ぼす。特に閉経後の女性では 「骨粗しょう症」で骨が脆く なってしまい、脊椎圧迫骨折を起こすケースがある。 １ 骨盤のズレ ：骨盤は身体を支える要であるから、骨盤がズレると他の骨や神経などに悪影響が出る。 椎間板ヘルニアを引き起こす原因にもな