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第４章 安心で質の高い医療サービスの提供 第１節 患者本位の医療サービスの提供 １ 診療情報の提供体制の充実 （現状と課題） ○ 患者の受療意識の向上、医療技術の高度化に伴う治療方法等の選択肢の拡大等 を背景に、治療方針や治療方法の選択肢の患者への適切な説明、他の医師の意見 を求める患者への協力など、患者の選択や患者の意向が尊重される医療サービス の提供が求められています。 ○ 医療機関には、ホームページの開設や財団法人日本医療機能評価機構による病 院機能評価結果の公表など、患者の医療機関選択のための積極的な情報提供の取 組を進めることも求められています。 また、国は、医療機関の情報提供の推進の一環として、医療機関の広告規制の 緩和を行っています。 ○ 患者が地域の医療機能を理解し、病期に適した質の高い医療が受けられるよう になるために、地域の医療連携体制を構築し、病期に応じた身近な医療機関を知 らせることも重要です。 ○ 平成１９年度から、全国一斉に、医療機関の医療機能情報提供制度が開始され、 本県においても、県内医療機関の医療機能情報 （基本情報）を県のホームページ に公開するなど、患者が医療機関を選択できる体制整備が進められています。 （今後の施策） ○ 病状、指導方法、診療内容等について、医療従事者と患者 ・家族等が十分に 話し合い、信頼関係に基づいた医療が提供されるよう、インフォームド・コン セントの促進に努めます。 ○ セカンドオピニオンの制度が使いやすくなる仕組みについて研究します。 ○ 本計画の中で、主要事業ごとの医療連携体制を構築し、各病期に対応できる 医療機関を明示 （必要に応じて情報を更新）するなど、地域の医療機能情報を 提供します。 ○ 医療機能情報提供制度については、平成２０年度から県のホームページで本 格的に県内医療機関のきめ細かな医療機能情報を提供することとなっています が、県民に分かりやすいように工夫するなどして、積極的な医療機能情報の提 供に努めます。 - 21 - ２ 人権に配慮した医療サービスの提供 （現状と課題） ○ ハンセン病や結核などの感染症については、治療法が確立された今もなお誤っ た認識が存在し、また、エイズ患者、ＨＩＶ感染者などに対する偏見は根強く、 医療関係者の深い理解と人権を尊重したサービスの提供が求められています。 ○ また、臓器移植の場合などにおける臓器提供者 ・家族等のプライバシーの問題 や身体拘束 （抑制）の問題など、患者の人権を尊重する医療を進めることが必要 です。 ○ 県では、平成１７年１月に策定した 「大分県人権施策基本計画」に基づき、県 民への正しい知識の普及と啓発を図っていますが、保健医療関係者は、その一人 ひとりが人権が尊重される社会の実現に深く関わっていることから、一層の人権 教育 ・研修の充実を図る必要があります。 ○ また、医療関係者と患者 ・家族との信頼関係を構築するため、大分県医療安全 支援センターを設置し、専任の相談員による中立的な立場からの医療相談を実施 しています。 （今後の施策） （１） 啓発活動の推進 ○ 感染症や難病に対する偏見や差別は、認識不足から来るものが多いことから、 市町村や関係団体、学校、事業所等と連携し、さまざまなメディアを通じて情報 を提供し、正しい知識の普及 ・啓発を図ります。また、患者に対しては、患者の 人権を尊重した適正な医療の提供を推進します。 （２） 人権教育・研修の推進 ○ 高い職業倫理が求められる医師、看護師等の医療関係者に対する人権教育 ・研 修の充実を図るため、学校 ・養成施設に働きかけるとともに、関係団体に対して も取組を要請します。 ○ 身体拘束 （抑制）については、「患者の人権尊重」と 「安全な治療」を保障す るため、拘束 （抑制）のあり方について検討を進めます。 （３） 相談体制の充実 ○ 大分県医療安全支援センターや二次医療圏ごとの医療安全支援センターの活動 を通じて、中立的な立場で、患者と医療機関との橋渡しを行い、医療サービスの 向上と患者の人権尊重に取り組みます。 - 22 - 第２節 医療機関の医療機能の分化と連携 （現状と課題） ○