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京都コンピュータ学院・京都情報大学院大学 　　准教授　　植田浩司 車内ネットワーク ＃3 自動車にはたくさんのECU 様々なところに用いられているＥＣＵ たくさんのケーブル類 ワイヤーハーネス（ケーブル）の長さが長くなりすぎた。 重くなりすぎた。 できるだけひとつのケーブルでたくさんのECUとセンサーと制御対象（ブレーキなど）を接続する必要がある。 そのためにはネットワークの仕組みを利用する。 コンピュータネットワーク コンピュータネットワークと自動車のネットワークで違う点は何？ コンピュータネットワーク（インターネット，LANなど） 操作する人・・・人間 操作・・・検索，ファイルの書き込みなど 機械・・・電子装置，メモリ，ハードディスク 自動車では？ 操作をする人・・・人間（ただし，ハンドルやブレーキなど体を使う），他には？ 自動車では？ 操作をする人・・・人間（ただし，ハンドルやブレーキなど体を使う） 操作を要求する人・・・自動車そのもの 自動車の走行が不安定になった場合など 操作・・・機械を動かす 機械・・・ブレーキやエンジンなど 違う点は 操作する人・・・人間が操作するのに時間がかかる。特に危険回避の場合など 機械・・・反応するのに時間がかかる 質問コーナー 時間がかかるとどうなる？ コンピュータネットワークの仕組みを応用するが，時間が重要な点である リアルタイム性能が必要 プロトコル プロトコルとは？ 手順 電話をかける手順 授業を履修する手順 結婚する手順 手順を守らなかったらどうなる？ 上の場合 自動車の場合 ネットワークのプロトコル CSMA/CD キャリアセンス マルチプルアクセス 衝突検知 自動車のネットワーク CAN(Controller Area Network) CSMA/NBA Carrier Sense Multiple Access Non-Distructive Bitwise Arbitration 搬送波検知多重アクセス方式 非破壊のビット単位の調停 プロトコル CSMA/CDプロトコル 私と話がしたいですか？ プロトコル １人が話している時は他の人は待っています 私と話がしたいですか？ プロトコル もし２人が同時に話しかけたら？ 私と話がしたいですか？ プロトコル もし２人が同時に話しかけたら？ 私と話がしたいですか？ 少し待ってから話しかけます この方法を自動車のネットワークに用いるとなにが問題ですか？ プロトコルの話 人と人が会話（会議）をする例を考えてみましょう。 電子通信では目はありませんから，耳と口だけが有効です。 プロトコルの話 会議のルール 【発言の規則】 誰かが話をしているとき，そのほかの人は発言できない。逆に，だれも発言していない時には誰でも発言できる。 誰かが発言しているとき，会議に参加している全員が同時に聞いている。 プロトコルの話 会議のルール 【発言の手順】 発言する人は最初に「はい」と声に出して言う。 かならず自分の名前を言う 話す長さ（時間）を自分で決める 話したい内容を３で決めた時間で話す。 話した内容が聞こえたかどうか，他の参加者から返事をもらう。 話が終わったことを伝えて発言を終了する。 プロトコルの話 もし，複数の人が同時に発言を要求したら？ （案） 発言をする人に優先順位をつける 議長を決めて順番を決めてもらう 優先順位をつけることにしましょう。 プロトコルの話 優先順位 社長 専務 部長 課長 主任 担当者 プロトコルの話 プロトコルの話 問題発生１ 会議中，早口で話す人がいるので聞き取ることができない。 同じ速度で話をしましょう，と決める。 プロトコルの話 問題発生２ 会議中，別の部屋からの話し声や，騒音で話が聞き取ることができない。 話が聞き取れない場合には再度話しを繰り返す，と決める。 プロトコルの話 問題発生3 話の内容を聞いていた別の人が，間違いを指摘しました。エラーですと言いました。 再度話しを繰り返す，と決める。 プロトコルの話 問題発生4 話を何回も間違う人がでてきました。何回も同じ話を聞くのは疲れます。 間違いが多い人には休憩してもらう，と決める。 CANの特徴 マルチマスタ・・・誰でも話すことができる マルチキャスト・・・全員が同時に聞く CSMA/NBA 優先順位付きメッセージ 不具合制御 ・・・不具合や衝突があった場合の制御ができる限りシステム全体に影響を与えないよう，できるだけ遅延がないように処理する。 CAN BUS構造 CANの構成 ドミナント　・・・　論理値　０ レセッシブ　・・・　論理値　１ どれかのノードがバスにドミナント信号を送出すると，バスはすべてドミナント信号（レベル）になる ノイズに強い ビットスタッフ