卵稚仔鱼群分布精密调查.PDFVIP

卵・稚仔魚群分布精密調査 涌坪敏明・菊谷尚久 調査目的 200海里漁業水域の設定l乙伴い、当該水域内における漁業資源を科学的根拠に基づいて評価し、 漁獲許容(可能)量等の推計に必要な資料を整備する。 調査内容 1 調査期間 昭和61年4月~昭和62年3月 (太平洋 6 ・9 ・11・3月、日本海 4 ・5 ・6 ・7 ・9 ・10・11・3月) 2. 調査海域 青森県太平洋及び日本海の沖合と沿岸海域(図 1、2) 3. 調査船 開運丸(299.56トン、 D770馬力)、東奥丸(134.47トン、 D550馬力) 青鵬丸 (56トン、 D250馬力) 4. 調査方法 (1) 日本海 a 浮魚類対象(マアジ・マサパ・マイワシ類)……4-7、3月 轡ネットを用いてワイヤー長 150mの鉛直曳網を行った。水深 150ml乙満たない地点、では 海底直上からの鉛直曳網を行った。 b.スルメイカ対象……9-11月 ノルパックネットを用い、浮魚類対象と同様の方法で行った。 (2)太平洋 a.スルメイカ・アカイカ対象 稚魚ネットを用いて表層5分間 η水平曳網を行った。 b.浮魚類対象 窃ネットを用いて日本海と同様の鉛直曳網を行った。 5. 調査項目 (1)種の査定 採集物より、魚類の卵・稚仔及び頭足類の幼生を選別し、種の査定、計測を行う。また、選 別後の残余プランクトンについては代表定点における指標種及び主要構戒種の査定を行った。 (2) 分布量の把握 浮魚類(マアジ・マサパ・マイワシ類)、スルメイカを主対象に、出現した分布量を把握し、 選別後の残余プランクトンについては湿重量を測定した。 a q 調査結果 1. 調査日数及び採集サンフ。jレ数(表1) (1) 日本海 試験船東奥丸及び青鵬丸lとより、 4• 5 ・6 ・7 ・9 ・10・11・3月に調査を実施した。サ ンフ。jレ数183本、調査日数16日であった。 (2)太平洋 試験船開運丸及び東奥丸iとより、 6 ・9 ・11・3月に調査を実施した。サンフ。jレ数36本、調 査日数21日であった。 2. 卵・稚仔魚の出現状況 (1) 日本海 昭和61年度の窃ネット (4-7、3月)、ノノレパックネット (9-11月)による採集状況を 表2、4IC示した。採集された卵は 101個、稚仔は95個体であった。卵・稚仔魚とも採集総数 は近年では多い方であった。月別では7月と 9月の出現が多く、 7月ではカタクチイワシの卵 が、 9月ではカタクチイワシとキュウリエソの卵・稚仔魚の出現が目立っていた。 (2)太平洋 稚魚ネットによる採集状況を表3、5ζI示した。今年度の特徴としては、 6 ・9 ・11月にサ ンマが出現していることと3月にヨコスジカジカが多数出現したことがあげられる。 3. 日本海における主要出現種の個体数変動 例年、出現個体数の大部分を占めるカタクチイワシとキュウリエソについて卵・稚仔出現個体 数の年変動及び年別・月別変動を図3、4I乙示した。 ア.年変動 カタクチイワシでは、出現個体数の年変動が大きく、その傾向は稚仔よりも卵に顕著である。 また、 57年度を除き卵の出現が稚仔の出現より多くみられる。一方、キュウリエソではカタク チイワシに比べて年変動は大きくない。 55・56年度では卵の出現が稚仔より多く、 57年度以降 では58年度を除き稚仔の出現が卵より多くなっている。 イ.年別、月別変動 カタクチイワシでは、卵の出現のピークは6-7月頃にみられ、その後稚仔の出現が9-11 月にかけてみられるというパターンになっているが、キュウリエソでは5-8月にかけて若干 出現するが、卵・稚仔とも出現のピークは9-11月となっている。キュウリエソはカタクチイ ワシに比べて卵の出現割合いが少ないのが特徴となっている。このことは、両種