事业完了报告书-文部科学.PDF

事業完了報告書 調査研究期間等 調査研究期間 委託を受けた日 ～ 平成２９年３月 １７日 調査研究事項 ≪委託研究Ⅱ≫ 【山口県】 ア 設置の需要に関すること ウ 教員の配置 ・研修、教材その他学校運営に関すること 調査研究のねらい 本県では、平成２６年度まで中学校夜間学級入学に関する県民 の需要は一件も確認されていない状況であった。しかし、平成２ ７年７月に文部科学省から、既卒者の再入学を積極的に受け入れ るべきであるとする考え方が示されたことを受け、今後、新たな 需要が生まれてくる可能性もある。このため、需要の把握方法等 について調査研究を行うとともに、設置に当たっての最大の課題 と考えられる教員の配置についての具体的な方策等について、既 に設置 している、又は設置を検討している都府県及び政令指定都 市の先進的な取組を参考にした調査研究を行うこととした。 調査研究の成果 ○ 中学校夜間学級に関する調査から、各市町では近年、中学校 夜間学級に関する需要 （ニーズ）の高まりはなく、各市町教育 委員会とも現時点では、中学校夜間学級の設置に向けた検討を 行う予定はないことを把握することができた。 ○ 各市町教育委員会が現在、重点的に学びの支援をすべきであ ると考えている対象者は、学齢期にあるが不登校等により長期 欠席 している児童生徒である。こうした児童生徒に対しては、 教育支援センター （適応指導教室）を設置 して受け入れたり、 児童生徒支援加配の教員やＳＳＷ、市町雇用の補助教員等が個 別に家庭訪問を行ったりするなど、各市町の実情に応 じてきめ 細かな指導体制を充実し、学びの支援を行っている状況である ことを把握することができた。 ○ 先進自治体視察では、現在設置されている中学校夜間学級の 在籍生徒の大半は外国籍であり、個々の生徒の学習状況が大き く異なるため、習熟度別のクラス編制により個別学習を中心に 授業を進めたり、教員の自作プリン トを活用 したりするなど、 創意工夫しながら授業を行っているという共通点が見られた。 このことから、中学校夜間学級において学習指導の効果を高め るためには、個々の生徒の学習状況に応じたクラス編制やカリ キュラム編成、指導の工夫等が必要であることを把握すること ができた。 ○ 一方で、他の自治体からの入学を認めている夜間学級とそう ではない夜間学級があることや、高齢者が比較的多い夜間学級 と若年者が比較的多い夜間学級があることなど、自治体による 差異も見られた。このことから、中学校夜間学級の設置自治体 の実態に応じた条件整備や、指導体制の検討が求められること