善宝寺五百罗汉像保存修复业务2017年事业报告-东北芸术工科大学.pdf

立体作品（１） 善寳寺五百羅漢像保存修復業務　 2017年度事業報告 柿田喜則 KAKITA. Yoshinori／文化財保存修復研究センター研究員・教授 笹岡直美 SASAOKA. Naomi／文化財保存修復研究センター研究員・准教授 井戸博章 IDO. Hiroaki／文化財保存修復研究センター常勤嘱託研究員 １．善寳寺五百羅漢像保存修復事業について センター客員研究員）。 　2017年度からは事業担当者が変更し、また東北 芸術工科大学全体の協力を得て、本事業のロゴ マーク作成や五百羅漢堂前への看板設置等を行い （中山ダイスケ／グラフィックデザイン学科教授、 阿部貴博／同学科非常勤講師、他）、事業の推進 と周知を進めている。 龍澤山善寳寺　五百羅漢堂 ロゴマーク ２．2017年度事業概要 　2017年度の修復数は12体で、五百羅漢堂内入口 より向かって左面手前エリアに安置する像が対象 （p.74参照）、12体のうち９体が羅漢像、３体が 五百羅漢堂寄附者･発願者像である。修復業務は 主に文化財保存修復研究センターにて行った。 2017年度の主なスケジュール ４月 2017年度修復計画・調査 五百羅漢堂内 善寳寺→文化財保存修復研究センターへ第１次 　本事業は龍澤山善寳寺（山形県鶴岡市）五百羅 ５月 搬出（寄附者･発願者像） 詳細調査・Ｘ線撮影・以降修復作業 漢堂内安置の500体を超える仏像群に対する保存 修復事業で、宗教法人善寳寺（第42世五十嵐卓三 善寳寺→文化財保存修復研究センターへ第２次 住職）からの委託により2015年度に開始された。 ８月 搬出（羅漢像） 詳細調査・Ｘ線撮影　以降修復作業 本修復は概ね20年間をかけて完了する予定で、大 学の附置研究機関と寺院による事業としては異例 修復後撮影・記録 の長期間であるといえる。 ３月 文化財修復研究センター→善寳寺へ 　2015～16年度までに、堂内の保存環境や仏像の 修復完了像搬入 現状写真撮影と損傷状況調査、および２体の羅漢 像の修復を完了している（前担当者・藤原徹／現 Ⅱ　保存修復受託研究事例 63 ３．修復概要