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探索的因子分析における変数の選択：コメント 大阪大学人間科学部 狩野　裕 変数選択は尺度構成である 変数選択．．．．統計学用語 基準変数がある場合（e.g., 回帰分析） 予測精度が上がるように項目を選択 基準変数がない場合（e.g., 因子分析） モデルの適合度によって項目を選択 尺度構成．．．．心理学用語 因子分析後，共通性＋解釈可能性で項目を選択 適合度とは適合度とはモデルとデータの距離 因子分析モデルとは 適合度による変数選択の意義（１） モデルを設定したら必ず検証すべき 科学的アプローチの基本 論理実証主義?反証主義 「（反復）主因子法」から「最尤法＋適合度」へ 以後の解析のために探索的因子モデルの適合度を評価しておきたい．　 適合度による変数選択の意義（２）--- なぜ因子分析するのか --- (項目の分類?下位尺度の検討) 尺度化の（統計的）意義は誤差のコントロール 誤差を小さくする．信頼性を上げる 因子モデルが適合していれば，尺度化によって信頼性を向上させることができる 因子モデルが適合していなければ，尺度化しても信頼性が向上しないことがある 尺度化の効果とα係数 希薄化の修正 実践的観点からの適合度による変数選択の問題点 因子負荷が大きい変数が落ちることがある 従来の規準との矛盾 因子分析後の分析に無関係に変数選択が行われる 尺度化後，外部変数Yを基準変数にして回帰分析をしたい Yと非常に関係が深い変数が，変数選択で落ちてしまうことがある 釈明 以後の分析に関係なく選ばれる 尺度は，事後の分析に依存せずに，開発されていることが多い 尺度事典など 変数増加法の適用 落としたくない変数から始めて，変数増加法で適合度の高い変数を取りこんでいく 共分散構造モデルの変数選択法へ 大きな因子負荷の変数が落ちる 適合度が大きく損なわれなければ残してよい 尺度化?因子分析?信頼性係数(1) 尺度化?因子分析?信頼性係数(2) 小さなずれは致命的ではない 目的別対応 尺度化が目的の場合 従来の規準に，適合度という新しい規準を加えて，総合的に尺度化（変数選択）していく 適合度，信頼性係数，Yとの関連の強さ因子負荷量の大きさ 因子分析が目的の場合?共分散構造分析へ発展させる場合 適合度にプライオリティをおくべき まとめ SEFAは探索的因子分析における変数選択プログラムである． モデルの適合度を規準に変数選択 尺度構成にも威力を発揮 適合度を規準に尺度を構成する項目を選ぶ 信頼性の確保 因子モデルからのずれが小さければ，信頼性を大きくは損なわない 少々ずれていても，因子負荷が大きければ尺度に含めてよい 因子分析が目的の場合や検証的分析，共分散構造分析へ移行する場合，適合度は重要 * 良いモデル 悪いモデル 分析方法 適合度（カイ２乗値）探索的因子分析 ８０ ↓検証的因子分析 ９０ ↓共分散構造分析 １００ 信頼性係数　 α係数 ２項目　0.46 ４項目　0.64 尺度の信頼性係数 0.36 0.53 0.39 尺度のα係数 0.36 0.53 0.86 尺度の信頼性係数 0.63 0.53 0.45 尺度のα係数 0.63 0.77 0.87 尺度の信頼性係数 0.63 0.60 0.68 尺度のα係数 0.63 0.66 0.73 * * *