林産物貿易における貿易政策の考え方.PDFVIP

林産物貿易における貿易 政策の考え方 法政大学社会学部 島本美保子 1.部分均衡モデルによる分析 ＜従来の考え方＞森林の多面的機能は木材生産に 伴 う外部経済効果→多面的機能への支払いは受 益者がすべき 多面的機能 ＝外部経済効果の場合 ＜貿易論的考え方＞価格 私的限界費用PMC 多面的機能維持への p A 費用は貿易自由化 p’ B ピグー補助金 の外部不経済効果 →支払いは自由貿易 社会的限界費用SMC 需要曲線 の受益者が行 うべき ０ ｑ q’ 生産量 1.1 輸入国の場合 (自給自足) (貿易下) 価格 PMC 価格 PMC A SMC A SMC ピグー補助金 ピグー補助金 ｐ B B ｐ’ C D E E ０ ｑ 生産量 ０ ｑ’ 生産量 ・貿易自由化後のほうが社会的余剰が上昇する。 ・しかし森林の持続可能性維持のための費用を含める とそうはいえなくなる。 1.2 輸出国 （天然林材輸出国）の場合 ・木材生産は森林の多面的機能を劣化 させる外 部不経済効果を持つ （自給自足） （貿易下） 価格 SMC 価格 SMC ピグー税 B ピグー税 PMC p ’ PMC p A A 需要曲線 需要曲線 ０ q ０ q’ q” ・ピグー税を適切に課 した場合は、自由貿易をした が社会的余剰が増加 1.3 外部性の内部化が行われていない場合  木材輸出国で外部不経済 （森林劣化による多 面的機能の劣化）の内部化が行われていない 場合＝ロイヤルティの不払い、違法伐採 →輸出量が増加 森林原則声明  森林の持続可能性を政策目標 とする木材輸入 国に過剰な森林管理費の支出  木材輸入国の消費者は安い木材製品を享受