《日语文学作品：鲁迅《狂人日记》》.docVIP

日语文学作品赏析《狂人日記》 某君兄弟数人はいずれもわたしの中学時代の友達で、久しく別れているうち便りも途絶えがちになった。先頃ふとにった者があると聞いて、に 帰る途中立寄ってみるとわずかに一人に会った。病気に罹ったのはその人の弟で、君がせっかく訪ねて来てくれたが、本人はもうスッカリ全快して官吏候補とな り某地へ赴任したと語り、大笑いして二冊の日記を出した。これを見ると当時の病状がよくわかる。旧友諸君に献じてもいいというので、持ち帰って一読してみ ると、病気は迫害狂の類で、話がすこぶるこんがらがり、筋が通らずが多い。は書いてないがも書体も一様でないところを見ると、一に書いたものでないことが明らかで、がついている。専門家が見たらこれでも何かの役に立つかと思って、言葉の誤りは一字もなおさず、記事中の姓名だけを取換えて一篇にまとめてみた。書名は本人平癒後自ら題したもので、そのまま用いた。七年四月二日しるす。 　　　　　　　　一　今夜は大層月の色がいい。　は三十年あまりもこれを見ずにいたんだが、今夜見ると気分がのサッパリして初めて知った、前の三十何年間は全く夢中であったことを。それにしても用心するに越したことはない。もし用心しないでいいのなら、あのの犬めが何だって乃公の眼を見るのだろう。　乃公が恐れるがある。　　　　　　　　二　今夜はまるきり月の光が無い。乃公はどうも変だと思って、早くから気をつけて門を出たが、のがおかしいぞ。乃公を恐れているらしい。乃公をやっつけようと思っているらしい。ほかにまだ七八人もいるが、どれもこれも頭や耳をけて乃公の噂をしている。乃公に見られるのを恐れている。往来の人は皆そんな風だ。中にも薄気味の悪い、最もあくどい奴は口をおッぴろげて笑っていやがる。乃公は頭のから足のまでひいやりとした。解った。彼らの手配がもうチャンと出来たんだ。乃公はびくともせずに歩いていると、前の方で一群の子供がまた乃公の噂をしている。目付は趙貴翁とで、顔色は皆だ。一体乃公は何だってこんな子供から怨みを受けているのだろう。とてもたまったものじゃない。大声あげて「お前は乃公にわけを言え」と怒鳴ってやると彼らは一散に逃げ出した。　乃公と趙貴翁とは何の怨みがあるのだろう。往来の人にもまた何の怨みがあるのだろう。そうだ。二十年前、先生のを踏み潰したことがある。あの時古久先生は大層不機嫌であったが、趙貴翁と彼とはいでないから、定めてあの話をえ て不平を引受け、往来の人までも乃公に怨みを抱くようになったのだろう。だが子供等は一体どういうわけだえ。あの時分にはまだ生れているはずがないのに、 何だって変な目付でじろじろ見るのだろう。乃公を恐れているらしい。乃公をやっつけようと思っているらしい。本当に恐ろしいことだ。本当に痛ましいこと だ。　おお解った。これはてっきりあいつ等のお袋が教えたんだ。　　　　　　　　三　一晩じゅうれない。何事も研究してみるとだんだん解って来る。　彼等は――に鞭打たれたことがある。紳士からをったことがある。小役人からを取られたことがある。また彼等の親達が金貸からとっちめられてをさせられたことがある。その時の顔色でもきのうのようなあんな凄いことはない。　最も奇怪に感じるのは、きのう往来で逢ったあの女だ。彼女は子供をたたいてじっとわたしをめている。「さん、わたしゃお前に二つ三つみついてやらなければ気が済まない」これにはわたしも全くおどかされてしまったが、あの牙ムキ出しの青ッが何だかしらんが皆笑い出した。するとがつかつか進んで来て、わたしをふんづかまえてへ連れて行った。の者はわたしを見ても知らん振りして書斎に入るとを掛け、まるでのように扱われているが、このことはどうしてもわたしの腑に落ちない。　四五日前にの小作人が不況を告げに来た。彼はわたしのアニキと話をしていた。村に一人のがあって寄ってたかってしてしまったが、中には彼の心臓をえぐり出し、りにして食べた者がある。そうすると肝が太くなるという話だ。わたしはをすると、小作人と大アニキはじろりとわたしを見た。その目付がきのう逢った人達の目付に寸分違いのないことを今知った。　想い出してもぞっとする。彼等は人間を食いれているのだからわたしを食わないとも限らない。　見たまえ。……あの女がお前に咬みついてやると言ったのも、大勢の牙ムキ出しのの笑も、先日の小作人の話も、どれもこれも皆暗号だ。わたしは彼等の話の中から、そっくりそのままの毒を見出し、そっくりそのままの刀を見出す、彼等の牙はく光って、これこそ本当に人食いの道具だ。　どう考えても乃公は悪人ではないが、古久先生の古帳面にいてからとてもツかしくなって来た。彼等は何か意見を持っているようだが、わたしは全く推