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平成２８年度鉱山保安監督指導方針 平成２８年４月１ 日 中部近畿産業保安監督部 近 畿 支 部 平成２８年度は、第１２次鉱業労働災害防止計画（平成２５年度から２９年度）の４ 年目です。本計画の内容も踏まえ、人命尊重を基本理念とし、鉱山災害や鉱害の未然防 止に向けて、当支部の今年度の取組を「平成２８年度鉱山保安監督指導方針」として取 りまとめました。 災害発生状況を顧みると、全国では平成２７年の罹災者数が死亡２名を含む１９名と 前年から５名増加しており、引き続き災害の撲滅という最終目標の達成には至っていな い状況にあります。特に平成２５年以降の死亡災害４件においては、何れもパワーショ ベル（バックホウ）を運転中に罹災したものです。 一方、当支部管内では、鉱山保安法施行以来、初の無災害（平成２７年罹災者(休業３ 日以上）０名)を達成しました。しかし、災害に至るおそれがあった不休傷は発生してお り、災害発生のリスクが十分低減できているとは言い切れません。 災害を撲滅するためには、各鉱山の保安水準を継続的に向上させることができるよう、 鉱山ごとに、鉱山保安マネジメントシステムの構築と有効性の向上を図るとともに、ヒ ューマンエラーを考慮した対策の強化が必要です。 鉱害関係については、当支部管内では発生しなかったものの、他管内においては、短 時間の記録的な集中豪雨により、坑廃水処理施設の能力を超えたこと及び坑廃水処理施 設への導水管が破損したこと等に伴い、未処理坑廃水の河川への流出事故が複数発生し ており、あらかじめ坑廃水処理に係る施設において豪雨等対策を講じておく必要があり ます。 このような観点から、以下の通り監督指導を実施します。 記 Ⅰ 災害減少目標 第１２次鉱業労働災害防止計画と相まって、鉱山災害を撲滅させることを目標 とします。 Ⅱ 平成２８年度における重点事項 当支部は、次の重点事項を定め監督指導を実施します。 １．自主保安体制の確立 （１）鉱山保安マネジメントシステムの構築と有効性の向上を図るため、鉱業権者等に 対し、地区鉱山保安部会等の場を活用し、「鉱山保安マネジメントシステムの構築 と有効化のためのガイドブック」（以下「ガイドブック」という。）、その構築に 向けた優良事例等の情報について提供を行うとともに、モデル鉱山に対する研修に よるマネジメントシステムの構築に向けた事業を実施する。 また、各鉱山に対し、当支部が実施する保安検査において、各鉱山の取組状況を 把握しつつ、「鉱山保安マネジメントシステムの構築と有効性向上に向けた手引書」 （以下「手引書」という。）のチェックリストによる相互確認を行い、その結果に - 1 - 基づき、手引書、ガイドブック等により、今後の具体的な取組方法の指導を行いま す。 （２）保安に対する取組が優良と認められる鉱山については、鉱山保安表彰制度の保安 優良鉱山として表彰することに加え、鉱山保安マネジメントシステムの構築と有効 化を推進している鉱山については、特別功労?貢献者の部「鉱山（鉱山マネジメン トシステムに係るもの）」として、適否を判断した上で表彰します。 一方、取組が不十分な鉱山については、自主保安活動の取組強化を徹底して指導 します。 ２．災害防止対策 （１）全国的に災害発生頻度の高い「墜落」、「運搬装置のため」（車両系鉱山機械、 コンベア）及び「発破?火薬類のため」（飛石）について、リスクアセスメントを 徹底して行い、不安全な状態及び行動を特定し、必要な措置を講ずるよう、保安検 査において災害防止に係る優良事例の情報提供及び「鉱山災害防止のためのガイド ブック」による指導を行います。 また、発生頻度が高い災害の多くは、ヒ