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サンプル容器ホルダー付放射線照射用恒温槽の製作 小林浩三、沼尻久 筑波大学人間総合科学等支援室（医学支援室） 〒305-8575茨城県つくば市天王台 1-1-1 な放射線の照射が可能である。流水中、一定の位置 概要 で照射範囲に 16本以上を放射状に固定が可能である。 筑波大学臨床医学系脳外科学教室からの依頼によ 材料として主にアクリル材を使用する。 って開発した、放射線照射装置で使用するサンプル 容器ホルダーのついた恒温槽について報告する。 ホルダーは複数のサンプル容器に同条件下で、均 2.2 仕様 一な放射線の照射が可能な形状で、大きさは照射台 恒温槽は、恒温効果を失わない範囲で、給水量の 上で使用出来るサイズとなる様に考案した。 調節と高さの違う排水口を数カ所設けたことにより 要求された水位の調節を可能にした。また、給水路 はそれぞれの容器の近くに給水口を設けて、一本一 １． 背景 本に給水される構造とした。恒温槽の大きさは線量 これまでサンプル容器のホルダーは、必要とする の関係と取り扱いを考慮し高さは 90mm とし、幅は 容器の数を固定できても均一な放射線の照射が出来 300mm、奥行きは 250mm とした。蓋は蒸気が装置に ない。一方、均一な放射線を複数のサンプルに照射 与える影響を極力避け、線量の減衰を極力抑えるた することが可能であっても必要とする容器の数を固 め厚さ 1mm のアクリル板を使用した。 定できない。といった問題があった。しかも、放射 サンプルを入れる容器は遠心機用の一般的な 1.5cc 線の照射時に一定温度に保つ適当な恒温槽が無かっ 容器で、スクリュ た。そこで報告者らはこれらの問題を解決し、複数 ーキャップマイ のサンプルに放射線照射を行い、照射後のサンプル クロチューブ（バ の比較が容易で、容器の着脱が簡単な装置の開発を イオマシナリー 試み、これまでにないものを完成したので報告する。 製 カ タ ロ グ No.2230-00 ）とキ ャップ（バイオマ ２． 設計 シナリー製カタ ログNo.2001-00） を使用する。形状 2.1 条件 は上部が円柱状、 設計は、以下の条件下で行なった。ポンプによる 下部は底に向か 強制給水（37℃）?重力による自然排水で水位調節 って円錐状であ 図２ サンプル容器配置図 が可能である。放射線照射装置の照射部で使用が可 る。サンプルが少 量の場合、中央部 能である。容器ホルダーは容器中のサンプルに均一 図１ 容器ホルダーの断面図を示す。青色が水路で、水色がアクリル製ホルダーである。この図よりサン プル容器が 6 度で傾き、温水が容器に直接注がれ