88地形及び地质-津市.PDF

8.8 地形及び地質 8.8.1 現 況 (1)調査内容 地形及び地質の調査概要を下表に示す。 表 8.8.1-1 調査概要 環境 調査頻度･ 項目 調査方法 調査地点・調査範囲 要素 時期等 ・関連文献および既往のボー 対象事業実施区域を 1回/年 リング調査資料（推定活断層 含 む 流 域 お よ び 東 及び球状花崗岩に係る調査も 側・西側に隣接する沢 含む） を含む範囲 地形及び 地形 （概ね対象事業実施 地質 及び ・現地調査（地表地質踏査（球 区域から300～500ｍ 土地の安 地質 状花崗岩の発見に努める）） 程度の範囲） 定性 ・上記情報に基づく地形地質 状況、造成地基礎盤および盛 土土質の状況の把握整理 8.8-1 1) 既存資料調査 ① 地形地質 対象事業実施区域付近を構成する地質は、二畳紀～白亜紀に形成された花崗質岩類よ りなる。対象事業実施区域の南側を東西方向に中央構造線が走っており、この構造線を 境とし大きく地質が異なっている。津市美杉町は、この中央構造線の北側に位置し、二 畳紀～白亜紀にかけて形成された領家花崗岩類が広範囲に分布する。 領家花崗岩類は、新期花崗岩と古期花崗岩に分けられる。古期花崗岩は、粗粒で片状 構造を示し、部分的に片麻岩との互層状を呈しており、劣化しやすいとされている。新 期花崗岩は、比較的新鮮である場合が多い。 対象事業実施区域に分布する領家花崗岩類は、新期花崗岩に属し美杉トーナル岩と称 される。美杉トーナル岩は、津市美杉町～松阪市南部に、東西 20km、南北 7kmの岩体を 形成している。岩体の西部では塊状の、東部では中粒で片麻状構造をもつ岩よりなり、 長柱状の最大長径 1cmに達する角閃石と厚さ 5mmの黒雲母を含む。 また、山地間に細長く分布する谷底低地には周囲の斜面や上流部から搬出された土砂 （砂質土、粘性土主体）が堆積している。また、部分的に玉石を含む礫質土が薄く分布 する箇所もみられる。 なお、一部の山地裾部には、斜面上方からの堆積土砂（崖錐堆積物）が小規模に確認 される。 「土地分類基本調査」による対象事業実施区域周辺