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茶病害虫防除情報 【第 1 号】 平成 24 年 1 月 30 日 鹿児島県経済連・肥料農薬課 赤焼病・灰色かび病の防除対策について ☆ 赤焼病発生状況と防除対策・・・初発生は確認されるが 少ない予想 今年の赤焼病の発生は、これまでの調査で枕崎市の極一部茶園で僅かに確認されていま す。本病は最近数年間少発生で経過しており、茶園内の病原細菌密度は低いと考えられま す。また、今年のこれまでの気温は低い傾向ですが、強い季節風を伴うような降雨も少な いためこれまでは発生は極めて少ない状況です。しかし本病の最も発生しやすい時期は、 春先 2 ・3 月頃で、急激に多発することがあります。例年発生がみられる地域では茶園をよ く見回り、初発状況を早期に確認し、発病がみられる場合は早急に防除に努めることが発 生拡大と被害を防ぐポイントになります。 ☆ 赤焼病の発生特徴 ① 細菌病であるため発生は突発的で、初発生後の蔓延が激しい。 ② 伝染は、主に冬から春先の強い季節風で起こり、傷口や気孔などから感染すると考 えられる。整枝作業などでも伝染拡大する。 ③ 耐凍性が低い状態の茶樹が雪害、寒害、凍害、霜害などを受けると感染が助長され、 発生が誘発される傾向がある。このため秋冬期や春期の防霜対策の防除効果もある。 ④ 品種間の発生差があり、一般に「ゆたかみどり」「かなやみどり」「あさのか」「やぶ きた」などは弱い傾向にあるが、年によって品種の発生が変わる。 ⑤ 園、栽培管理による発生差が大きく、肥培管理や茶樹の生理状態が発生に強く影響 するように思われる。隣接した園でも発生が大きく異なる。 ⑥ 幼木園で発生しやすいが、最近では成木園での発生が多い。 ⑦ 秋冬期のマシン油剤散布は、時期により耐凍性が低下し、発生が助長される。 ⑧ 一番茶の摘採残葉では切口などに小病斑を生じ、二番茶以降の発生はみられない。 ⑨ 感染のメカニズムや発生機構は不明な点が多く、発生予察が難しい。 ⑩ 的確に防除効果を示す薬剤が少ない。 ☆ 灰色かび病の発生状況と防除対策 現在茶園は開花時期を迎えていますが、今年も花・蕾が多い園がみかけられます。 灰色かび病菌は主にこの開花した花弁に寄生して繁殖し、罹病した花から付近の成葉、 茎、芽などに伝染して、枯らすことがあります。 15～20℃の比較的に低温で、多湿状態で発生しやすく、これから春先に発生が多くなり ます。花・蕾が多く、発生の恐れがある園は開花盛期～落弁期に薬剤防除します。 ☆ 防除対策 （1） 赤焼病 これまで発生がみられた地域（南薩・南隅など）では茶園を定期的に観察し、スポット 状の初発生を早期に確認し、初発生が認められた茶園は早めの防除を行う。発生の激しい 園では 3 月末頃まで数回の防除を行う。 1）防除時期 2～3 月 初発生確認後 強風雨直前・直後 春整枝直後 2）防除間隔・回数 20～30 日間隔 ２～3 回 3）防除薬剤・使用方法 散布時期 防除薬剤 使用濃度 使用時期 使用回数 初発生確認直後 カスミンボルドー 1000 倍 摘採 30 日前まで 1 回 発生前の予防防除 サンボルドー 500 倍 摘採 21 日前まで ― （強風雨前後） ドイツボルドー 500～1000 倍 摘採 14 日前まで ― （春整枝直後） コサイドボルドー 500～ 800 倍 摘採 14 日前まで ― 発生が続く場合の コサイド3000 1000 倍 摘採 14 日前まで ― 2 回目以降の防除