平成20年度市町村保健师研修.doc

平成2０年度市町村保健師研修復命書 日　程：平成２１年３月１６日（月）～１７日（火） 場　所：東京都千代田放送会館ホール 参加者：藤川直子（上天草市）、荒木真喜子（苓北町） 都道府県から１～２名の参加で、合計９０名、国保専任および兼任の保健師が集った。 １日目（平成２１年３月１６日） 開会 主催者挨拶　国民健康保険中央会　田中一哉理事 昭和５３年からこの研修会を開催しているが、今回初めて国保担当保健師と限って研修会を開催した。 目的①保健師の意識を変えてほしい。 　②日常業務の見直しをしてほしい。 保健師の業務は、住民のための訪問が専門ではないかと考える。現在、日常業務の８割がデスクワークになっている。 昭和２３年に国民健康保険制度が誕生し、医療と予防を一体に考えて活動してきた。 平成２０年度から医療費適正化対策として、保健指導のための健診が始まった。フェイス?フェイスの関係が保健指導の効果を高める。しかし、国保担当の保健師が減ってきているなかで、いかに活動していくかが課題である。 来賓挨拶　厚生労働省保険局国民保険課　武田俊彦課長 国民健康保険制度が始まって７０年がたつ。今年度から後期高齢者医療制度が導入されたりと、節目の年である。国民健康保険制度は、最後の砦、すべての人を救う制度である。 次のことを課長に報告してほしい。 現在、市町村保健事業補助の最後の詰めをしている。全国の１/３の自治体を選んで保健事業の補助を実施する。 保健事業で効果を上げている市町村の共通している特徴は、国保保健師が何人いるかを上司が把握している。また、国保保健師を多く配置していたり、今後、増やす予定であることがキーポイントのようである。 講演「国民健康保険と保健事業について」 厚生労働省保険局国民保険課　武田俊彦課長 国は、医療費適正化で医療費の増減に焦点を当てているわけではなく、目的は『住民の幸せ』であり、いかにお金をかけずにこの目的を達成するかが重要と考えている。 社会保障の機能強化（社会保障国民会議報告） 高齢化の現状や医療費の現状のなか、今後、必要なことは社会保障の機能強化（社会保障国民会議報告）である。 「制度の持続可能性」を確保していくことは引き続き重要な課題であるが、今後は、同時に、必要なサービスを保障し、国民の安心と安全を確保するための「社会保障の機能強化」に重点を置いた改革を進めていくことが必要。???社会保障国民会議報告（平成２０年１１月４日） ? 機能強化のために追加的に必要となる公費負担は、消費税率に換算して、２０１５年 ３?３～３．５％程度、２０２５年６％程度 豊かな暮らしを目指すには医療の充実が必要である。 ?医療?介護サービスのシミュレーションの前提（ポイント）???あるべき医療?介護サービスを前提＝改革（再生）への道筋を提示 　（「入院中心」→「在宅?訪問診療等の強化による地域での療養中心」といった方向性のイメージ） 　今後、診療所の主治医機能の強化、「医療介護を通じた包括支援?マネジメント、他職種との連携、長期継続ケアが重要となる」 最近の医療の動き 入院日数は減少し、１日当りの医療費単価が上がっている。 ８５歳を超えると何らかの支援が必要となる。 国民健康保険と地域保健活動 国保における保険給付と保健事業 国民健康保険法の目的は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、社会保障及び国民保健の向上に寄与すること。 保険給付と保険事業は車の車輪の関係である。 保険給付???被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡の保険事故に関して必要な保険給付を行う。 保健事業???被保険者の健康の保持増進のために必要な支援を行う。 医療給付の対象となる保険事故を未然に防止 疾病を早期に発見して重症化を防止 病院、診療所等の設置 国民健康保険の保険事業の変遷 昭和５２年　国民健康保険保健婦活動等について 国庫補助の開始???先駆的?実験的。モデル的な保健施設活動 健康生活?食事指導?寝たきり病人への家族教育、他受診?重複受診者への生活指導等 成人病予防を中心とした保健事業 平成２０年度　高齢者の医療の確保に関する法???特定健診?保健指導の実施 市町村国保の特性 加入者平均年齢（１９年度）が５５．２歳と高い。政管健保３７．６歳　組合健保３４．５歳 生活習慣病は国民医療費の約３割を占め、死亡割合では約６割を占める。 宮城県涌谷町は保健事業で減塩対策をすすめ脳血管疾患で死亡する人を減少させた。 平成２１年度指定市町村の指定にかかる地域差指数（平成１９年度実績による見込み） は、西高東低であるが、北海道は高い。「県毎に医療費は違うが、保健事業に力を入れたほうが結果的に医療費は下がる。」と強く訴えられた。 講演「地域医療現場からの保健師への期待