露头-熊野町.PDF

2 露 頭 l児童生徒用書の説明 熊野の地質は1億年から8000万年前のこと、火山の噴火によってできた流紋岩と同じく火山による花崗 岩が入り込んでできた基盤とその後の堆積物からできています。芸予地震のあのエネルギーを体験した児 童生徒は、環太平洋地域に共通する地殻変動や断層がこの地域にあったであろうことを理解することがで きるでしょう。地表には火山灰や河川流によって、灰や土砂が堆積し、さまざまな変化が起きています。 長い年月は地形だけではなく、地質も変化させているのです。 基盤岩矩とくに花崗岩が風化を受けて「くさり」状を示し、土砂崩れを起こしやすい状態になっている ところが至る所にあります。観察には土砂崩れに十分注意してはしいものです。 ここでは地層をよく見る、ちょっとした道具（ルーペ）を使ってみる、そしてどうなっているのかを考 えてみることが大切です。こうした大地の中で生きている、生活しているという実感を児童・生徒に大切 にさせたいものです。 t】道徳内容項目との関係（例） 1（5）真理を大切にし、進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくする。 3（1）自然の偉大さを知り、自然環境を大切にする。 見をする喜びは、「偉大」なものや「美しいものに感動する心」にも通ずることである。 3（2）生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する。 3（3）美しいものに感動する心や、人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつ。 8000万年といい、100万年という大地（熊野）の歴史からみると、人間の命はほんの一瞬である○短 さを知ることで逆にかけがえのない命を考えることができる。 ∥ 補足資料 1 地形上の専門用語 地 塁 断層の両側に隆起した地塊（東部山地・西部山地） 段 丘 湖底にあたり平坦地・急崖地が階段状に配列している地形 氾濫原 洪水のたびに、水路の位置が変わる地形 地 溝 断層によって区切られ陥没した細長い低地 盆 谷 谷の両面の谷壁斜面が凹形の斜面からなる谷 2 熊野町の地質 基盤となる岩石は酸性火成岩であり、その表面は表層堆積物で覆われている。 灰白色の斑状岩 流紋岩 黒色の塊状岩 酸性火成岩 粗粒黒雲母花崗岩 花崗岩 鎖（くさり）花崗岩 細粒花崗岩 －14－ 3 熊野の地形 地の中にできた町である。東部山地と西部山地は第3紀の終わりの断層運動によってできた地塁だと考え られている。両者の山地（地塁）から今日の地形に至るまでを模式図で示すと次の通りである。なお、熊 川がときに土砂にせき止められ、浅い湖沼ができたこともあったと考えられる。 （森野哲生氏のホームページから） 花崗岩の露出 浸食さわ．る 土砂によって川が せき止められた 新しい浸食・堆積 （崖崩れ・土石流） 更に浸食さわ．る 4 ろう石を採掘した熊野鉱山 印である。黒雲母花崗岩と流紋岩が接触してできたもので、鉱石は耐火原料として使用されていた。 5 花崗岩の風化（くさり花崗岩） 周囲の物質を褐色に染める。黒雲母自体も粒が小さくなり金色を帯びてくる。 ＞ 花こう岩の風化のしかた