铝用化成处理.pdfVIP

Vol.61, №3,2010 251 アルミニウムホイール用化成処理 蓬　原　正　伸a a 日本ペイント㈱サーフ事業部防錆材料技術部（〒140︲8675　東京都品川区南品川4︲1︲15） Chemical Conversion Coating for Aluminum Wheels Masanobu FUTSUHARA a a Corrosion Prevention Tech., Surface Treatment Div., Nippon Paint Co., Ltd.(4-1-15, Minamishinagawa, Shinagawa-ku, Tokyo 140-8675) Key words : Conversion Coating, Non-Chrome, Aluminum Wheels, Zirconium, SAM 理がよく行われている。その他に，耐食性向上，品質安定化 1．はじめに およびコスト低減を目的として，無機 ・有機ハイブリッド処 　自動車用ホイールでは，軽量化，意匠性の観点からアルミ 理，シランカップリング剤を利用した化成処理技術の開発も ホイールの採用が進んでおり，平成17年度から20年度の生 実施されている。また，現在のアルミホイールの製造工 産個数は2000万個を超えている。スポーツタイプや高級車 程で課題となっているのは，鋳造過程で使用される離型剤の を中心に採用されており，強度に加えて，高級感・ファッショ 除去のために実施されているブラスト処理である。そこで使 ン性が求められる。複雑なデザインをとっているものが多く， 用される鋼製もしくはSUS 製のショット材の残存が，防食 構造部のエッジや，切削部からの糸さびの抑制が重要な要求 品質バラツキの原因となっている。 性能となっている。 　本稿では，最新のアルミホイールの化成処理として，ブラ 　アルミホイール塗装は，光輝性表面へのクリヤー塗装と， スト工程による耐食性ばらつき解消を目的として導入された 鋳肌面などへの有色塗装の2つがある。用いられる塗料タイ “ケミカルエッチング”および塗膜密着性を強化するため， プは，アクリル系，エポキシ・ポリエステル系およびエポキ ドイツ・ケメタル社により開発されたSAM （Self-Assemble シ系があり，2 コートが一般的である。光輝性表面では，化 Molecule）を利用した後処理を紹介する。 成皮膜には，耐食性のほかに，ムラやシミ防止といった外観 2．アルミニウムホイールの製造工程 上の制約も受ける（表1）。 　アルミホイール塗装工程における化成処理は，耐食性や塗 　図1にアルミホイールの製造工程および化成処理工程を示 膜密着力を向上させるため極めて大切であるが，近年の環境 す。図1 a）は，現在国内において一般的な工程であり，鋳 問題の高まりとともに，クロメート処理から，ノンクロム化 造後にブラスト工程がある。図1 b）は，最新の工程であり， 成処理へと移行している。ノンクロム化成処理は，金属フッ ブラスト工程を廃止する替わりに，化成処理工程にケミカル 素錯体を主成分とするものが代表的であり，リン酸系と酸化 エッチング工程が追加されている。 物系に分類できる。現在，アルミホイールの化成処理に，最