森崎康宣-日本建筑学会.DOC

質疑応答と総合討論 文責　宮崎恵子（海技研） 見学施設に関して 質問：大西　一喜 ビッグアイでの火災時のオペレーションとして、バルコニーは一時待避空間として、いったん宿泊者を留め置くのか？ それともとにかくスロープで下まで降ろしてしまうことになっているのか？避難先のめどについて、だれがどのように判断し指示するのか？ スロープで下まで降りる途上で、点字や音声などどのような情報を提供しようとしているのかがわかりにくかったので、説明していただければありがたい。 回答：浦井 設計ではバルコニーを一時避難待避場所と考えた。運用は担当者でないとわからない。スロープでは、誘導サインのみ設置している。 回答：田中 実験では、目的地まで問題なくたどれた。 質問：藤本　幹也 屋外に設置されている避難スロープですが、囲われて暗いイメージがしました。これにはなにか意図があるのでしょうか？ 回答：浦井 スロープはレストランの上に位置し、外観上壁を設ける必要があった。 質問：吉村　英祐 ①避難バルコニーや避難スロープは建築面積、延床面積に算入されているのでしょうか。またハートビル法の緩和規定が適用されているのでしょうか。 ②特に避難スロープ部分を全面的に建築面積や床面積に不算入が認められたら、スロープ設置にはずみがつく可能性はどの程度あるとお考えですか。 回答：浦井 ①建築基準法の通り建築面積に含めている。 ②インセンティブにはなるが、工事費の補てん等がないと実行されるのは難しいと考える。 質問：佐野　友紀 田中先生のご発表に対して避難の実験において避難時間?速度について一般歩行者と比較して、およそ何割程度であったか？また特に速度が落ちる特徴的な場面、空間がございましたら、ご発表の内容に加えて教えていただければ幸いです。 回答：田中 現在まとめているところで、まとまったら学会で発表したい。障害者の避難速度は一律ではなく、障害種別で差があり、杖使用者が速かった。滞留?速度変化があったのは、踊り場近傍?屈折箇所である。なお、外部フェンスのパニック錠の構造がわかりづらいので改良の余地があると考える。 質問：建部　謙治 ①トイレのバリエーションはあるのか。 ②エントランスの認識がしづらい。 ③色彩計画での問題、ホールの青などが強すぎないか。 ④手すりは横格子だがこどもは来ないか。 回答：浦井 ①トイレの便房のサイズは180×90cmと180×180cmの２種類。左右対象のものをそれぞれ設置。オストメイト用多目的トイレ（汚物入れ?シャワー付き）もあるので、外側にピクトグラム等で設備を示している。 ②エントランスは、仕様で向きが予め決まっていた。 ③ホールの青は、テーマカラーで決まっていて、スタジオのイメージで抑えた色合いにした。文字や色合いは、神戸の国立視力障害者センターに評価してもらっている。 ④ベランダは通常人が出ない所であることと、細かい格子では外が見にくいため、このような手すりになっている。 回答：田中 ③文字や色合いは、神戸の国立視力障害者センターに評価してもらっている。 質問：飯田　進史 ビッグアイの宿泊室のテレビの誘導放送は誰が操作するのか？その他防災体制について教えてください。 回答：浦井 警報により自動的にテレビモニターの電源が入る。非常放送も自動で流れる。情報は管理室から。 質問：青木　謙一（匿名） ①廊下の誘導に点状ブロックを用いず、マットを用いた背景をもう少し教えてください。色のコントラストであれば、点状ブロックでも可能なはず。点状ブロックの凹凸による車椅子などの走行性を問題にしたのでしょうか。 ②居室内では床面と家具に色のコントラストをつけて弱視者をフォローしている。あるいは建物内いたるところの文字は大きく配置されている。しかし、居室内にある時計や空調調節の液晶文字は非常に小さい。該当製品はみつからなかったのか。あるいは、他に意図があったのか。 回答：浦井 ①屋内の限られた空間なので、点状ブロックによる凹凸を避けて、車いすや杖での歩行に支障のないように考慮した。足の感触で判別できる。 ②空調装置は制御が関係するため大きな文字が表示できるものが開発されていない。研究がまだ進んでいない。 回答：田中 ②フォローアップ調査でも空調装置等の文字を大きくという声がある。ユニバーサルデザインの装置等が出てきているが、備品に関しては業界により温度差がある。細やかな対応が必要であると考える。 質問：森崎　康宣 ①ランプによる火災通知の意図は、宿泊室以外（パブリックのトイレ）では伝わりにくいのでは？ ②スロープから地上に至り、南側の広場に通じる経路が見通しにくく、スロープにあるようなサインもない。また、このスロープの照明照度はどのくらい？ ③ビッグアイでの