会长讲演特别讲演教育讲演-业务内容.pdf

会 長 講 演 演 講 育 教 ／ 演 講 別 特 ／ 演 講 長 会 特 別 講 演 教 育 講 演 3 月 3 日（土） 9：45～10：15　第 1 会場 会長講演 座長：谷口初美（九州大学） 母子と女性を守る助産の知と技、そして連携 村　上　明　美 演 講 育 教 ／ 演 講 別 特 ／ 演 講 長 会 （神奈川県立保健福祉大学　保健福祉学部　学部長） 略　　歴 　2016 年、わが国の出生数はついに100 万人を下回りました。少子化の 　日本赤十字看護大学大学院博士後期課 進行は未だ止まらず、生まれてくる子どもの命の重みはどんどん増して 程修了。博士（看護学）。 います。一方で、2015 年のわが国の平均寿命は男性が80.79 歳、女性が 　東京大学医学部附属病院で助産師と 87.05 歳で、超高齢社会も進行し続けています。今後は国をあげて、子 して約 10 年間勤務の後、山梨県立看護 どもを産み育てやすい環境整備に取り組み、加えて、年齢を重ねても元 短期大学、日本赤十字看護大学を経て、 気に自立した生活が営める社会づくりが必要です。 2004 年より神奈川県立保健福祉大学保 　わが国がこのような人口構造の変化に直面する中、助産師が出産施設 健福祉学部看護学科助教授、2007 年教 内のみで周産期医療にかかわっていればよい時代は終焉を迎えようとし 授、2013 年看護学科長・教授、2017 年 ています。 度より保健福祉学部長・教授（現職）。 　会長講演では、学術集会のテーマである「母子と女性を守る助産の知 　主な研究テーマは「助産技術の解明と と技、そして連携」に関連づけながら、社会の動向を見据えた今後の助 開発」「熟練助産師のわざ」「安心で安全 産学研究の方向性を探ってみたいと思います。 な助産実践」。 　産科医療補償制度再発防止委員・分析 1．母子の健康・安全を守る 部会員、公益社団法人神奈川県助産師会 　出産の高齢化や生殖補助医療の進歩等に伴い、ハイリスク妊娠が増加 会長、公益社団法人全国助産師教育協議 しています。妊娠高血圧症候群、胎盤位置異常、多胎妊娠、妊娠糖尿病、 会理事、公益財団法人日本助産評価機構 腎疾患や精神疾患合併など、ハイリスク妊娠の病態は様々です。その管 理事などを務める。 理に関しては、産科医師や新生児科医師をはじめ、多職種との連携・協 　主な著書に、『DVD で学ぶ助産師の「わ 働が前提となりますが、助産学的あるいは医療経済学的視座等からの ざ」仰臥位分娩介助技術　熟練の技を求 「MFICU ・NICU の継続ケア」「母体搬送（搬出・搬入）時の助産師の危機 めて』（医歯薬出版）、『DVD で学ぶ開業 介入」「ハイリスクを悪化させない助産ケア」などの検証研究も待たれる 助産師の「わざ」フリースタイル分娩介 助』（医歯薬出版）、『助産師必携会陰保護 ところです。 技術』（共著、メディカ出版）、『わざ言語 　また、社会的ハイリスク妊娠に対しては、社会福祉学、女性学、家族 　感覚の共有を通しての「学び」へ』（共 社会学的なアプローチの研究も必要です。助産学研究にこのような方法 著、慶應義塾大学出版会）、『助産実践能 論の活用が期待されます。 力習熟段階〈クリニカルラダー〉にもと 　ハイリスク以外の妊産婦にも、正常な経過を正常で終わらせるために、 づいた助産実践能力育成のための教育 妊娠中の健康管理、親性の獲得支援、産後の子育て支援、母親のメンタ プログラム』（共著、医学書院）、『臨床助 ルサポートなど課題は山積です。今後の助産師活動は「子育て世代包括 産テキスト