栉部朗山本哲大西俊郎葛西眞水戸迪郎-旭川医科大学.PDF

薬理と治療 (1982.01) 10巻Suppl.1:27～32. ICG肝予備力検査法としてのICG Rmaxの意義 櫛部 朗、山本 哲、大西俊郎、葛西眞一、水戸迪郎 薬理と治療VoL10Supp1.1Jan・’8２ ５ＨＣＧ肝予備力検査法としての ＩＣＧＲｍａｘの意義 旭川医科大学第二外科 櫛部朗山本哲 大西俊郎葛西真一 水戸廼郎 ClinicalEvaluationoflCGRmaxonHepatic FunctionalReserveCapacity AkiraKushibe，TetsuYamamoto，ToshioOhnishi， ShinichiKasai，MichioMito 2ndDepartmentofSurgery，AsahikawaMedicalCollege ているが，色素負荷試験であるインドシアニン はじめに グリーンの最大除去率（ICGmaximalremoval 近年，外科的手術手技の発展は著しいものかrate：ICGRmax）を求める万法は，障害された外科的手術手技の発展は著しいものがrate：ICGRmax）を求める万法は，障害された あるが，同時にそれに伴い外科的治療の適応と肝の機能的な予備力をある程度定量的に判定で なる疾患も拡大されつつある。また，以前にはきるものとして広く用いられつつある2)。そ 手術適応と考えられなかったｐｏｏｒｒｉｓｋの患者こで今回われわれは，肝予備力検査法として にも外科的適応が拡がりつつある。のＩＣＧＲｍａＸの意義について，主として予後 手術をするか否か，あるいはどの手術法を選との関係から他の検査法と比較しつつ検討した 択するかは，術前の患者の状態に大きく左右さので報告する。 れるが，この把握が不充分であれば，幸いに手 Ｉ対象症例 術を終えることができても，術後合併症の予測 およびその対応は困難をきわめ，不幸な結果に 今回われわれが対象とした症例は，一般肝機 終わることも少なくない。 能検査の他に，ICGRmax，へパプラスチンテ われわれが専門とする消化器外科疾‘患をとりスト，５０９糖負荷試験およびグルカゴン負荷試 あげると，中でも特に肝機能障害を有する患者験をすべて施行し得た17例で，１４例が手術例， に手術侵襲を加える場合には，術後合併症の発３例が非手術例である（表１)。手術施行例１４ 生する頻度の高いことから，術前に手術危険度例中５例が死亡し，死亡例は術後８ヵ月目に胆 を推定できる肝機能の定量的検査法の確立が強管癌で腫傷死した例を除いて，すべて術後６ヵ く期待される。今日いくつかの方法が検討され月以内に肝不全により死亡した。しかし，術後 -27(27)一