情报报告-日本産业机械工业会.PDF

情 報 報 告 シカゴ 情 報 報 告 ●米国環境産業動向 EPA、炭素回収貯留テクノロジーの枠組みを明確化 環境保護庁（EPA）は 12 月 19 日、炭素回収貯留（CCS）テクノロジーを安全かつ効果的に導入す るために国家としての枠組みを設定する最終規則を発表した。CCS テクノロジーは、石炭火力発電所 など大規模な排出源から炭素を回収し長期に貯留するため地下に注入するものである。今回の規則では、 排出源から回収され地質的に隔離するために飲料水安全法（Safe Drinking Water Act）のもとでUIC Class VI 注入井に注入される二酸化炭素は、輸送に関する規制を順守するなど一定の条件を満たした場 合、EPA の有害廃棄物規制から除外されることを明確にした。さらにEPA は、原油の二次回収（EOR） のために UIC Class II 注入井に注入される二酸化炭素は、廃棄物管理活動とは見なされないことも明 確にした。今回の規則は、CCS テクノロジーの本格導入に向けて障害を取り除き道筋をつけたことに なる。 ニューヨーク市の温室効果ガス排出量、2005 年比で19%減少 ニューヨーク市の温室効果ガスの排出量は2005 年から2013 年に19%減少したことが、12 年の任期 を終えるブルームバーグ市長から12 月30 日に報告された。ブルームバーグ市長は、2030 年までに排 出量を2005 年レベルから30%削減するという『PlaNYC2030』を5 年前に掲げており、その目標の3 分の2 を既に達成したことになる。最重要政策のひとつとして気候変動に取り組んだブルームバーグ市 長は、ハイブリッド車のタクシーを義務付けたり、市所有ビルを改修してエネルギー効率を高めるとい った様々な方策を実行した。現在のニューヨーク市の空気は50 年ぶりの清浄さであるという。 ハネウェル社、自動車エアコンに使われる冷媒HFO-1234yf の生産力を拡大 ハネウェル（Honeywell）社は、自動車エアコンに使われる新しい冷媒HFO-1234yf の生産力を拡大 するために、3 億ドルを投じてルイジアナ州に大規模な工場を建設することを 12 月10 日に発表した。 近年、EU のMAC （Mobile Air Conditioning）指令や米国のCAFE （企業平均燃費）規制を背景に、 自動車メーカーは、自動車エアコンからの排出量を削減しようと本格的に取り組んでいる。HFO-1234yf は、現在広く使用されているHFC-134a に比べて99.9% も地球温暖化力（GWP）が低く、その安全性 と効率性が検証されていく中で世界的に需要が高まっている。現在、ヨーロッパで使用されている自動 車エアコンの冷媒HFC-134a の多くが米国から輸入されており、新しい代替物HFO-1234yf の工場が 建設されると市場の要望に広く応えることができる。EPA は、HFO-1234yf を使う自動車メーカーにク レジット（排出枠）の取得を認めている。新工場は、2016 年から完全操業される予定である。 天然ガス生産者、シェールガス水圧破砕に罰金320 万ドルと原状回復費650 万ドル チェサピーク・アパラチア（Chesapeake Appalachia）社は、シェールガスのフラクチャリング（水 圧破砕）の注入物によってウェスト・バージニア州の河川と湿地を汚染したことで、罰金320 万ドル、 および27 ヶ所の現状回復費用として推定650 万ドルを支払うことが、EPA と司法省から12 月19 日に 発表された。同社は、米国第2 位の天然ガス生産者チェサピーク・エナジー（Chesapeake Energy）社 の子会社である。320 万ドルという罰金は、水質汚染防止法（Clean Water Act）違反としては最高額 ― 73 ― 情報報告　シカゴ の1 つである。水質汚染