2014年博士研究员研究成果报告书.PDF

２０１４年度 博士研究員研究成果報告書 氏名（所属研究室）石垣 美歌（理工学研究科尾崎研究室） 研 究 課 題 1. バイオエタノール原料中グリコーゲン濃度定量評価 2. 液体肥料成分の分光分析 3. 分光分析を用いた魚卵及びマウス受精卵の発生モニタリング及び卵 質の判別分析 研 究 期 間 2014 年4 月1 日～2015 年3 月31 日 研 究 成 果 概 要 2014 年度は，近赤外分光法を用いたバイオエタノール原料中グリコーゲン濃度定量評価及び 液体肥料成分の分析，魚卵・マウス受精卵の発生モニタリング及び卵質の判別分析研究を行っ た。 まずバイオエタノール原料中のグリコーゲン濃度定量評価は，㈱住友電気工業と当研究室と が共同で開発したComposition を用いて行われた。バイオエタノールは環境問題から注目され ており，将来的なマーケットを考 えると，リアルタイムなグリコー ゲン濃度の定量評価技術の開発 が求められている。そこでまず， バイオエタノール発酵過程(0h ～72h)における培養液中の複数 成分（グルコース・キシロース・ キシリトール・グリセロール・ア セテート・エタノール）の濃度を， 図 1: （左）SNV 処理後の吸光度スペクトルを用いて 部分的最少二乗法（PLS）を用い PLS解析を行った際の検量線。（右）PLS解析のFactor3。 て定量評価を行った。その結果 水由来のOH 基のバンドにより濃度を判別。 C-H, O-H 結合に関係するバンド により，98%以上の精度で定量評価を行うことができた。次に，バイオエタノールの原料である 6803 という藻の培養過程において，細胞内に蓄積したグリコーゲン濃度の定量分析を行った。 その結果，図１に示すように 95%以上の精度で定量評価を行うことができた。以上の解析結果 をまとめ，現在論文作成中で ある。 次に液体肥料成分の分光分 析では，遠紫外(FUV)，ラマン (Raman)，赤外(IR)，近赤外 (NIR)の4つの分光法を用いて， 液体肥料中に含まれる窒素， リン酸，カリウムの複数成分 の定量分析を行った。液体肥 料の成分濃度は，特に水耕栽 培における肥料として用いる 図 2: （左）KH PO の濃度を変化させた時のラマンスペク 際，植物に取り入れられた成 2 4 -1 -1 -1 -1 トル。（右）386 cm , 511 cm , 876 cm , 1073 cm を用 分を評価する時に重要な情報 いて計算したKH PO 濃度の検量線。 となる。植物や成長過程にお 2 4 ける窒素，リン酸，カリウムの摂取量が異なるため，水耕栽培における溶液中の各成分濃度の 変化をリアルタイムにモリタリングし，植物に必要な成分を随時注入することで，植物の成長 をより促進することができると期待されるからである。そこで，市販の液体肥料にNH NO , KNO , 4 3 3 KH PO を加え，PLS解析により各成分の定量評価を行った。その結果，FUVではKH PO 以外の成 2 4 2 4 分は205nmのバンドを用いて99%以上の精度で，Ramanでは700, 1050, 1400cm-1付近のNO と390,