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鉄鋼生産設備における

非定常作業の安全

－「鉄鋼生産設備の非定常作業における安全衛生対策

のためのガイドライン」の見直しに関する調査研究報告書－

中央労働災害防止協会

はじめに

鉄鋼生産設備は、設備・材料の持つエネルギーが強大であること、一酸化炭素中毒・

酸素欠乏症など急性疾病の可能性が高い作業環境があることなどから、作業者の安全衛

生対策を確実に行わなければ、重篤な災害が発生する可能性が極めて高くなります。

鉄鋼業における死亡災害は平成18年以降減少し、平成22年には過去最小（4件）を

記録しましたが、平成23年から増加傾向となり、平成24年は15件の死亡災害が発生

しています（（一社）日本鉄鋼連盟（以下、「鉄連」という）調べ。P94図1）。

さらに、平成12年から平成24年に発生した死亡災害の58.3％は非定常作業中に発生

しており、その内訳を見ると、トラブル対処作業（鉄連統計の非定常A）が31％、保

全的作業等（鉄連統計の非定常B）が28％を占めています。そのため非定常作業にお

ける安全衛生対策が強く求められています（鉄連調べ。P94図2）。

厚生労働省で、平成9年3月に「鉄鋼生産設備の非定常作業における安全衛生対策の

ためのガイドライン」が策定され、鉄鋼業界へ周知徹底が図られてきたところですが、

策定後15年が経過し、就業構造の変化、法令改正、リスクアセスメントの普及など鉄

鋼業を取り巻く状況が大きく変化してきていることから、同ガイドラインの内容の見直

すことといたしました。

ガイドラインの見直しにおいては、非定常作業における労働災害を防止するために必

要な事項を鉄鋼生産現場の作業実態に合わせて、できる限り具体的に示すようにしまし

た。

ガイドライン見直し案で示した事項が職場で確実に実行され、鉄鋼生産設備の非定常

作業における労働災害防止に寄与することを願っております。

平成26年3月

鉄鋼生産設備の非定常作業における

安全衛生管理に関する調査研究委員会

3

目次

Ⅰガイドライン見直しの概要・・・・・・・・・・・・・7

１ガイドライン見直しの目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

２実施内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

３委員会の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

４ガイドライン見直し活動経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

Ⅱ鉄鋼生産設備の非定常作業における安全衛生対策の

ためのガイドライン見直し案・・・・・・・・・・・11

１目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

２用語の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

３対象とする非定常作業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・