屋根用高日射反射率塗料のJISを制定.pdfVIP

屋根用高 日射反射率塗料の JIS を制定 －夏期の省エネルギーへの貢献が期待される高 日射反射率塗料の製品規格を制定－ 平 成 ２ ３ 年 ７ 月 ２ ０ 日 経済産業省産業技術環境局 産業基盤標準化推進室 太陽光を反射することで建物内の温度上昇を抑えることができる高 日射反射率 塗料は、夏期の省エネルギーへの貢献、ヒートアイランド現象の効果的な抑止策と して期待されている製品です。現在、高 日射反射率塗料は、メーカー各社で開発 が進められ市販もされていますが、日射反射率は色 （明度）による影響を受けるこ とや、耐候性や 日射反射保持率などの屋根用塗料として求められる各種品質要 求も満たす必要があることから、使用者 ・消費者がその製品がもつ性能を客観的 に評価することが困難な状況にありました。 そこで、経済産業省では、屋根用高 日射反射率塗料の品質、試験方法、表示項 目等を規格化し、その普及促進に貢献することを 目的として、日本工業規格 （ＪＩＳ K5675 屋根用高 日射反射率塗料）を平成２３年７月２０ 日に制定・公示しました。 【施工例 １】 事務所の屋根 （施工前） （施工後） 【施工例２】 保育園の屋上 （施工前） （施工後） 1 １． 目的及び背景 （１）近年、地球温暖化対策が世界規模で求められていますが、特に都市部でのヒートア イランド現象や冷房運転による電力消費の増大が問題となっています。これらの効 果的な抑止策として、 日射を建物の屋根、屋上等で反射させることができる塗料 （高 日射反射率塗料）への期待が高まっています。建築物の屋根、屋上等に高 日射反 射率塗料を塗装すると、蓄熱の主因である太陽光を反射し、建物室内への熱の侵入 や屋根表面の温度上昇を抑える効果があるため、 日射による室内温度の上昇を緩 和することができます。このため、現在、メーカー各社が高 日射反射率塗料の製品 開発を進め、すでに一般に市販されて急速に市場が拡大しています。 （２）このような現状を踏まえ、平成２０年９月に 日射反射率の性能を評価する方法を統 一するため、JIS Ｋ５６０２（塗膜の 日射反射率の求め方）が制定されました。しかし、 日射反射率は、色 （明度）による影響を受けることや、耐候性や 日射反射保持率など、 屋根用塗料として求められる各種品質要求も満たす必要があることから、使用者 ・消 費者がその製品がもつ性能を客観的に評価することが困難な状況にありました。 （３）このため、屋根用高 日射反射率塗料の品質、試験方法、表示項 目等を規格化し、そ の普及促進に貢献するため、（社） 日本塗料工業会 1)は、平成２１年度に使用者団体、 学識経験者、製造業者等からなる原案作成委員会を設置し、 日本工業規格 （JIS）案 の取りまとめを行い、経済産業省に対し JIS 制定の申し出を行いました。経済産業省 は、このJIS 案について本年５月に日本工業標準調査会 （JISC）における審議を実施 し、７月２０ 日に JIS Ｋ５６７５ （屋根用高 日射反射率塗料）として制定・公示しました。 （４）この規格では、高 日射反射率塗料を、低明度 ・中明度 （濃色系）と高明度 （白色系）に 分けて定義づけし、それぞれ規格値を設定しています （２．（２）参照）。これは、白色 など明度の高い塗料ほど 日射反射率は高くなりますが、一方で、都市部では近隣の 建物へのまぶしさの配慮や街並みを考慮したデザイン性な