高粘度渦巻ポンプの性能改善.pdfVIP

72 、高粘度渦巻ポンプの性能改善ω 〔論文〕 高粘度渦巻ポンプの性能改善 豊倉富太郎＊ 黒川淳一　＊ 金元敏明．　＊ 　1．まえがき ① ②　　③　④⑤　　　⑥　　　　7　⑧ 　高粘度油などの移送に用いられるターボ形ポン ’は、清水を対象として設計したポンプに粘度に 「 5 」 ㌧ 廿 は よる性能低下を見込むのが普通である。そして粘 度を広範囲に変えた研究が報告されており、その 雪 8 影響について解明されつっあるω～（8》。 　たとえば板谷ら（1》Ippenら（2》は、諸性能をレイノ ルズ数で整理すれば系統的な表示ができることを 報告している。また西川は高粘度時の全揚程と清 1700 水時の全揚程の差という形で圧力損失を見積り、 2000（20D） 500（5D） 高粘度時の任意の運転状態における全揚程を清水 時の値から椎定する式を導き、レイノルズ数ある 圃 〃 いは比速度の大きいポンプほど高粘度時の揚程減 ロ 少が少ないことを示し（3）、Szaわoらは角運動量（4） Baljeは境界層の発達状態（5》から高粘度時のポンプ 性能について検討している。 　しかしながら妹尾（9）あるいは“ターボ形ポンプ 1 トルク計 5 タンク 性能に及ぼす粘度の影響調査分科会報告（日本機 2供試渦巻ポンプ 6流量調節用絞奮） 、学会）”（10》にも指摘されているように、高粘度 3ルーッ型流量計 7オリフイス ターボ形ポンプについては清水を作動流体とする 4パイプライン 8 フレキシブルパィプ ポンプと相異点をもつ独自の設計が必要であろう。 図1　実験装置概略 このようなポンプは清水時に良好な性能が得られ なくとも、高粘度液に対しては相対的に良好な性 者に対して有効と思われる。 能になるものと考えられる。高粘度液に対する内 　本研究で、高粘度ポンフ性能改善の第一段階と 部流れは層流となるから、円板摩擦損失は著しく して、羽根出口角の大きい羽根車を試作し、従来 増大し、その損失割合が大きくなる。さらに羽根 形状のものと比較を行ない、高粘度液用としてこ 車流路内に発達する境界層によるブロッケージの