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京 都 大 学 防 災 研 究 所 年 報 第46号 B 平成15年 Annuals of Disas. Prev. Res., Kyoto Univ., No. 46B, 2003 衛星画像を用いた2002年韓国洪水災害における被災地の同定 児島利治・入谷貴也* ・立川康人・寶 馨 * 国土交通省 北海道開発局 要 旨 2002 年 8 月末に韓国を横断した台風 0215 号（Rusa）は，韓国全土に豪雨による洪水や土 砂災害を引き起こした。被災地域が広範囲に及び現地調査が困難な災害に対しては，遠隔地 から観測可能かつ広範囲に観測できる衛星画像が有効と考えられる。本研究では，韓国水災 害を例にとり，衛星画像の観測波長域，災害前後の差画像の生成の点から，災害調査への衛 星画像の適用可能性について検討を行った。 キーワード: Landsat-7/ETM+, NOAA/AVHRR, 高分解能補間画像, 季節変化 1. はじめに 用いられる。 対象地域は，韓国北東部の江陵(Kangnung) と中央 2002 年 8 月 31 日～9 月 1 日にかけて韓国を横断し 部の茂朱(Muju)周辺とした。当研究室では 2002 年 9 た台風 0215 号（Rusa）は，韓国全土に豪雨による洪 月下旬，および 11 月下旬に現地調査を行っている 水や土砂災害を引き起こした。被災地域が広範囲に （牛山ら, 2002）。 及び，また道路等の寸断により現地調査が困難な災 本研究では，被災地の同定のために災害前後の衛 害において，被災状況の全容を迅速に把握するため 星画像を入手した。使用した衛星画像を Table 1 に示 には，遠隔地から観測可能かつ広範囲に観測できる す。 衛星画像が有効と考えられる。本研究では，韓国洪 水災害を例にとり，災害調査への衛星画像の適用可 Table 1 List of satellite images 能性について検討を行う。 Study area Kangnung Muju 2. 対象地域と使用データ t Path-Row 115-34 115-35 a s d n Date （Before） 2002/4/28 2001/11/19 a Landsat-7/ETM+ 画像と NOAA/AVHRR 画像を用い L Date （After） 2002/9/3 2002/9/3 る。ETM+ は Landsat/TM の後継機種であり，TM と NOAA/AVHRR