都市間高速道路単路部におけるボトルネック探索手法の体系化.pdfVIP

都市間高速道路単路部における ボトルネック探索手法の体系化 1 2 3 野中 康弘 ・村重 至康 ・大口 敬 1正会員 株式会社道路計画（〒170-0013 東京都豊島区東池袋2-13-14 マルヤス機械ビル） E-mail:y_nonaka@doro.co.jp 2非会員 株式会社高速道路総合技術研究所（〒194-8508 東京都町田市忠生1-4-1） E-mail: y.murashige.aa@ri-nexco.co.jp 3正会員 東京大学生産技術研究所 （〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1） E-mail: takog@iis.u-tokyo.ac.jp 大量かつ高水準のトラフィックサービスが求められる都市間高速道路では交通混雑を極力抑えるべきで あるが，現実的には必ずしも交通混雑の発生を完全になくすことはできず，交通混雑の原因となるボトル ネックを把握して，計画，設計することが望ましい．しかしこれまでは，このように明示的に交通混雑を 前提とした計画設計手法は提示されてきていない．そこで本研究では，交通性能評価手法の構築に向けた 基礎的研究として，既往研究における交通容量推定手法やボトルネック位置の推定手法をレビューし，実 務ベースのフローティング調査によるボトルネック探索手法とあわせて，それぞれの分析手法の特性を踏 まえたボトルネック探索手法の体系化を試みる． Key Words : traffic congestion, traffic performance evaluation, systematic search for bottlenecks 1. はじめに 強制的に交通流を操作する信号交差点で顕在化している ように，高速道路上においても料金所あるいは車線数減 高速道路のように大量かつ高水準のトラフィックサー 少部など，人為的な要因が伴うボトルネックは比較的容 ビスを提供すべき施設では，交通混雑を極力抑えるべき 易に発見可能である．しかし，高速道路単路部のボトル であるが，現実的には必ずしも交通渋滞の発生を完全に ネックはいまだその構造的要因を完全に把握するには至 なくすことはできず，サグ・上り坂やトンネル坑口部を っていない現状にある． 中心にいまだ多くの交通渋滞が発生している．高速道路 そこで，本研究では高速道路の単路部を対象とした交 では一旦「交通渋滞」が発生すると，交通容量超過の蓄 通容量推定手法やボトルネック位置の推定手法に関する 積影響が必ず時間的に後まで影響が残る．また，ネット 既往研究をレビューし，実務ベースのフローティング調 ワーク上にその影響が広がることで直接関係のない移動 査によるボトルネック探索手法とあわせて，それぞれの 者の移動時間を増大させることもある．こうした負の外 分析手法の特性を踏まえたボトルネック探索手法の体系 部効果が生じるため，交通渋滞の発生を極力抑制するよ 化を試みる． う道路の計画設計と交通運用の工夫が必要である．つま り，交通渋滞発生の原因となる交通容量上のボトルネッ クについて，その位置や交通容量を適切に把握すること 2. 既往研究のレビューと本研究の着眼点 が高速道路の交通性能評価において重要な意味を持ち， こうした交通混雑，その発生の原因となるボトルネック (1) 交通容量の推定手法 を把握して，計画，設計することが望ましいが，これま 高速道路単路