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MSC90 の審議結果 2012 年5 月16 日（水）～5 月25 日（金）にロンドンの国際海事機関（IMO）本部にて開催された、 IMO 第90 回海上安全委員会（MSC90）の審議概要をお知らせします。 1. 採択された強制要件 今回の会合では、海上人命安全条約（SOLAS 条約）の附属書、満載喫水線条約（Load Line 条 約）、火災安全設備コード（FSS コード）及び国際海上危険物規定（IMDG コード）の強制要件等の 改正が採択されました。 主な改正は次の通りです。 1.1 SOLAS 条約附属書の改正 1. SOLAS 条約 II-1 章8-1 規則の改正 安全帰港要件の対象となる（全長 120m 以上又は3 つの主垂直ゾーンを持つ）新造旅客船 について、浸水時における安全帰港を実行するにあたっての必要な操船上の情報を船長に提 供するために、復原性計算機の搭載、又は同等の陸上からの支援措置を義務付ける改正が採 択されました。 本改正は、2014 年1 月1 日以降の起工船に適用される予定です。 2. SOLAS 条約 III 章20 規則の改正 自由降下式救命艇の定期的な作動試験（自由降下試験）について、同試験を模擬進水（シミ ュレーション）で実施しても良いことを明確化する改正が採択されました。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定ですが、早期実施を促すMSC サーキュラーにより、 即日適用可能となります。 3. SOLAS 条約 V 章14 規則の改正 安全配員原則の実効性を確保する観点から、総会決議A.1047(27)として採択された指針に 基づき主管庁が最小安全配員を定めることを規定する改正が採択されました。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定です。 4. SOLAS 条約 VI 章5-2 規則の改正 ばら積み液体貨物の航海中の混合、及び化学物質の投入による新たな物質の製造を禁止 する改正が採択されました。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定です。 5. SOLAS 条約 VII 章4 規則の改正 個品危険物の輸送書類要件を明確化するとともに、IMDG コードとの整合性を確保するため の改正が採択されました。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定です。 6. SOLAS 条約 XI-1 章の改正 ばら積み貨物船及びタンカーの検査強化の要件を定めるA.744(18)が、ESP コード（ばら積 み貨物船及び油タンカーの検査強化に関する国際コード）と改められたことに伴う、SOLAS 1 XI-1/2 の改正（編集上の修正）が採択されました。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定です。 1.2 1988 年議定書 Load Line 条約の改正 南アフリカ南端海域において、夏期満載喫水線を標示した東回りと西回りの船舶で輻輳状態とな っていることに鑑み、当該海域での船舶の安全航行確保のため、夏期帯域を拡大（現在の南部季節 冬期帯域を、陸から遠方35 海里から 50 海里に変更）する Load Line 条約の改正が採択されまし た。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定です。 1.3 火災安全設備のための国際コード（FSS コード）の改正 固定式泡消火装置の要件を定める第 6 章の全面的改正及び水によりダメージを受ける装置のあ る制御場所における自動スプリンクラー装置を乾式としてよい旨明確化する第 8 章の改正が採択さ れました。 本改正は、2014 年1 月1 日以降の起工船に搭載する消火装置に適用される予定です。 1.4 国際海上危険物規定 (IMDG コード)の改正 危険物輸送に関する国連勧告（第 17 訂版）の内容を取り入れ、新たに 11 品目が追加された他、 輸送書類に関する緩和規定が適用される特定の危険物を明確化した IMDG コードの改正が採択さ れました。 本改正は、2014 年1 月1 日に発効予定ですが、2013 年1 月1 日からボランタリーベースでの運 用が推奨されています。