地球環境の成り立ち - ecogis.sfc.keio.ac.jp.pptVIP

第７回　エコシステムの原理 エコシステムとは エコシステムの構造 エコシステムの機能 エコシステムの定義と特性 定義 生物群集を，それが成立している環境の非生物的部分とその中でのさまざまな要素の相互関係とを含めたものを生態系（エコシステム：Ecosystem）という． Eco=Environment System=Element + Relationship さまざまな要素、要素間、要素と関係間の関係 ここでは要素=地球表面の各種の自然体。つまり、ある特定の空間と時間の中で，生命の維持に寄与するもののすべで。 エコシステムの特性 エコシステムは空間的概念である。その境界を定義することは難しいが、確かにある。 自然エコシステムは太陽からの光以外には外部の物質資源やエネルギー源に依存しない。 自然エコシステムは水や他の無機化合物，及び生命の維持に必要な元素を含む物質を循環させる能力がある。 エコシステムはいくつかのレベルから調べることができる。つまり、スケールまたは階層性がある。一本の木から地球全体まで，大きさや複雑さが多様である。 エコシステムの構成 自然エコシステム（消費者と分解者をまとめた見方） 農業エコシステム 都市エコシステム 植物と動物のバイオマス バイオマス（Biomass） 生物圏に存在し、生きている生物の量。現存生物量、生物量などともいう。 動物?植物?微生物をすべて含めた 全バイオマス 1兆8000億トン（乾量） 緑色高等植物： 90%。陸地エコシステムの生産者 　　　　　　　　　　　　そのうちの40%は熱帯多雨林が占める。 緑色プランクトン： 0.2%　海洋エコシステムの生産者 野生動物： 0.1%　ヒトと家畜を除く。（分解者） ヒト： 1億トン（乾量） 家畜： 4億トン（乾量） エコシステムにおける緑色植物と野生動物のバイオマスの平均値 草原の野生動物と従属栄養微生物のバイオマス（カナダのプレーリー草原の例） バイオマスの生産（総生産速度?呼吸速度?純生産速度） 総生産速度Pg 緑色植物がある期間に、光合成により生産した有機物の総量 呼吸速度R 総生産速度と同期間中に、緑色植物が呼吸により無機化した有機物量 純生産速度Pn =総生産速度Pg-呼吸速度R エコシステムにおける緑色植物の総生産速度 エコシステムにおける緑色植物と野生動物の純生産速度 緑色植物の総生産速度と呼吸速度との関係 生物の比成長速度 μ：比成長速度（Specific growth rate)、つまり、１単位のバイオマスがある短い時間(dt)に新たに生産したバイオマス。 Bm：環境が収容できる最大のバイオマス。バイオマスで表現した環境容量（carrying capacity) 。 μm：環境容量が無限大の時に、生物が遺伝的にもつ最大限のμである。種によってその値が違う。 生物の成長式 環境容量が無限大のときの成長式 環境容量が有限の時の成長式 環境容量ありなしの成長比較 個体数が環境容量に制約されるパターン エコシステムにおける食物連鎖 栄養段階 ある生物がほかの生物を消費するときに、いつも、エネルギーの損失が見られる。 だから、動物よりは植物が多く、草食動物は肉食動物より多いわけ。 数だけでは一般に比較できないため、バイオマスを使うことにする。 食物連鎖はしばしば３つ、時には４つ、５つの連鎖からなっている。これ以上のものは少ない。 食物連鎖におけるいろんな段階は栄養段階という。 栄養段階の構成 生産者（植物） 一次消費者（草食動物） 二次消費者（肉食動物） 三次消費者（二次消費者を食べている動物） 高次消費者（その他のふべての捕食者） 栄養モデル 食物連鎖と各栄養段階のバイオマスと生産速度 生態的ピラミッド ４つのエコシステムにおける緑色植物と野生動物に関するバイオマスと純生産速度の生態ピラミッド 主要食料生産に要する水量 * * 主要参考文献： D.F.　オーエン著、市村俊英訳、生態学とはなにか、岩波書店、1977. 瀬戸昌之、生態系、有斐閣ブックス、1995 デニス?メドウズ著，成長の限界 人類の選択，ダイヤモンド社，2005 ． 非生物的物質 消費者 生産者 消費 排泄 分解 転移 落葉 呼吸 放射エネルギー CO2 O2 H2O CO2 O2 H2O 養分 養分 太陽の光エネルギー 熱エネルギー 生産層 分解層 無機物 有機物 （食物連鎖） （動物） H2O CO2 O2 （微生物） （緑色植物） 自然エコシステムは生産層と分解層を持ち、システム内で物質は循環し、エネルギーは流れる。 太陽の光エネルギー 熱エネルギー 農業エコシステムは限られた種からなる生産層と分解層の二層構造をもつ。生産性の向上をもとめて農薬、