心肺統御麻酔学分野-国立大学法人東京医科歯科大学.docVIP

心肺統御麻酔学分野 Anesthesiology 教　　授　槇田浩史 准教授　中沢弘一 講　　師　内田篤治郎，石川晴士 助　　教　舛田昭夫，大畑めぐみ，小日向浩行，山本衛　 　　　　　池田衣里，伯水崇史，大谷良江, 藤沢亜樹子 医　　員　9名　(レジデントを含む) 大学院生　5名 １．教育 　当講座は麻酔?蘇生学，疼痛生理学，ペインクリニックなど幅広い分野の教育，臨床，研究を担当している。各々の部門の根幹をなすものは全臓器の関与するダイナミックな臨床生理学，臨床薬理学であり，若い知的好奇心旺盛な臨床医，研究者が情熱を注ぐ場所として充分手応えのある分野である。また関連分野として，集中治療医学，緩和医療などがある。学生教育は生命維持のための基本的生理学，薬理学，特に呼吸?循環生理学とその急変時における正しい対処法の理解に重点をおき，これを手術，麻酔，周術期における患者管理の場で実践させるようにしている。卒後教育も同様であるが，早期からの探求心の育成と，本邦での専門医制度の先鞭でもある麻酔専門医の資格をとるための知識と技術の修得をとりあえず目標としている。 ２．研究 　当講座の研究は，麻酔，集中治療，救急蘇生などの重症患者管理に共通した臨床生理学，臨床薬理学および基礎研究，さらには疼痛生理学などを幅広く扱っている。研究テーマは日常臨床上の疑問やニーズに由来するものが多く，また基礎的研究の成果も臨床にフィードバック可能であることを目標としている。以下に当科の研究テーマを列記する。 １）動物モデルによる急性肺傷害の成因と病態の研究 ２）急性肺傷害のバイオマーカーとしてのRAGEの有効性に関する多施設共同研究 ３）急性肺傷害における肺組織再生に関する研究 ４）片肺換気中のもっとも有効な換気法に関する臨床研究 ５）揮発性吸入麻酔薬の幼弱脳に対する影響に関する実験的研究 ６）データベースに基づく術後臓器合併症の予測因子に関する後方視的研究 ７）麻酔中の保護的人工換気が術後肺合併症に与える影響に関する疫学研究 ８）その他の臨床研究 　 ３．臨床 　手術室における麻酔の臨床は，外科系各科の最新医療を支える重要な任務を負っている。とくに他院からの紹介患者は重症合併症を有した患者が多いため、呼吸循環管理を中心とした全身管理による麻酔によって好成績を得ている。ペインクリニックは現在外来患者，各科入院中の紹介患者を扱い，神経ブロックを柱とした治療により難治性疼痛患者の治療に成果を挙げている。島根大学医学部麻酔科とは高度医療人養成プログラムによる相互交流を行っている。さらに細分化された専門領域の研修を希望する者は、国立循環器病センター、長野県立こども病院、当院集中治療部などで研修を行っている。 ４．業績 [原著] Ishibashi T, Ishibashi S, Uchida T, Nakazawa K, Makita K. Reversible cerebral vasoconstriction syndrome with limb myoclonus following intravenous administration of methylergometrine. J Anesth 2011; 25:405-8. Ishikawa S, Makino F, Kobinata S, Ito H, Kawano T, Makita K. Co-administration of ephedrine prevents reductions in cardiac output and systemic oxygen delivery secondary to lung compression maneuvers during one-lung ventilation, without reducing arterial oxygenation. J Anesth 2011; 25:163-169. Ishikawa S. Arterial oxygenation during one-lung ventilation may not improve within 30 min. J Clin Monit Comput 2011; 25: 143-144. Nakazawa K, Yokoyama K, Makita K. A case of difficult extubation and difficult tracheostomy following failure of partial resection for orofacial arteriovenous malformation. Anesth Resuscitation 2011; 4