(者)家族へのレスパイトケアサービスの有用性に関する研究 .docVIP

障害学会第2回大会 自由報告 障害児 者 家族へのレスパイトケアサービスの有用性に関する研究 ～サービス提供事業所への調査結果から見えるもの～ 福島大学大学院地域政策科学研究科　　佐藤　友子 本研究の目的 〔現在の状況〕???支援費制度に移行後、レスパイトケアサービスと呼ばれたサービス内容の一部が支援費制度の枠組み内に入り、公的なサービスとなった。その中で、レスパイトケアサービスを提供していた事業所は、支援費制度サービスの提供を開始した。そのため、レスパイトケアサービスの実態が見えにくくなり、支援費が足りなかった場合の補完としての意味合いが強くなった。 〔本研究の目的〕 措置制度から支援費制度へ移行してからのレスパイトケアサービスの実態を明らかにする。 支援費制度サービスの提供とともにレスパイトケアサービスの提供を行なっている事業所が多い中で、レスパイトケアサービスをどのような意義で捉えて提供しているのかを明らかにする。 支援費制度下のレスパイトケアサービスが持っている有用性とは何かを明らかにし、今後その有用性を高めるために何が必要か検討していく。 レスパイトケアサービスの定義 2‐1、定義付けが必要である理由 措置制度時代 在宅で生活する障害児 者 の家族支援としての位置づけであった。 支援費制度になって 措置制度時代はレスパイトケアサービスと呼ばれていたサービスの一部が支援費制度サービスに組み込まれた。 現在、?レスパイトケアサービス?の言葉の持つ意味は曖昧であり、定義づけをしないと、その意義や内容に誤解が生じてしまう可能性を持っている。 2‐2、レスパイトケアサービスの定義例と原則 諸外国での定義例 ●ARCH 1994 ?レスパイトは家族及び養育者のための一時的な解放であり、障害のある子ども、慢性疾患?末期疾患の子ども、あるいは虐待?ネグレクトに遭うおそれのある子どもに対してケアを行うサービスです。レスパイトは家族のニーズや利用可能な社会資源に応じて、子どもの家庭あるいはいろいろな家族外の場所で実施され、また利用時間もさまざまです。家庭のためのサービスとして重要なのは、レスパイトが家族のストレスを減少させ、その結果家族のまとまりの維持や家庭を助けること、そして長期で費用もかかる入所措置を回避し、児童虐待とネグレクトを防ぐという点にあります。? 日本での定義例 ●廣瀬貴一ら 1992 ?障害児?者をもつ親?家族を、一時的に、一定の期間、障害児 者 の介護から開放することによって、日頃の疲れを回復し、ほっと一息つけるようにする援助? レスパイトケアサービスの原則 Knoll 1992 ら、ARCH 1994 、名川 1997 は、レスパイトケアサービスの実施として、以下の3点を挙げている。 community-based???地域に根ざしていること consumer-driven???利用者主体であること flexibility???柔軟であること 2‐3、本研究での定義 　＜本研究での定義＞ ?レスパイトケアサービスとは、利用者として障害のある本人と家族を包括的に捉え、さまざまなニーズをもとに提供される、柔軟性を持った、利用者の充足感を満たすためのサービスである? QOLの向上に寄与するサービスである 支援費制度下でのレスパイトケアサービス－事業所への調査から 3‐1、調査目的 　?支援費制度下でのレスパイトケアサービスの現状を知る 　?現在の事業所が抱えている問題点を把握 　?事業所が意識しているこのサービスの有用性を知る 　?各自治体のレスパイトケアサービスに対しての補助制度の設置状況、また制度利用状況について 3‐2、調査概要 1 調査対象者???全国のレスパイトケアサービス提供事業所 2 調査方法???郵送による調査票調査 3 調査時期???2005年6月～8月 4 回収率???46.5% 配布：159通、回収：74通 調査結果から抽出される問題点と有用性 4‐1、支援費制度下で事業所が抱えている問題点 　1 　切実な資金不足 質問項目?貴事業所の抱える問題点を挙げてください 複数回答可 ? 回答選択肢?1.資金不足、2.行政の補助金がない、3.行政の補助金が少ない、4.利用者が少ない、5.利用者が多すぎる、7.レスパイトケアサービスの事業所が多い、8.広報するのが大変、9.利用料金が高い、10.スタッフ不足、11.ボランティア不足、12.その他 、13.その他 ? この項目で最も多かった回答→?1.資金不足?51％の事業所が選択した 　他にも?2.行政の補助がない?→23％の事業所が選択 ?3.行政の補助が少ない?→31％の事業所が選択 　資金不足の次に回答が多かった項目は?10.スタッフ不足? 50%