精神分析における临床について.docVIP

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  • 2016-10-17 发布于重庆
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精神分析における临床について

精神分析における臨床について 臨床について何か発表してほしいとのことで、本論を手がけることになった。 精神分析の実践を私が始めてかなりの年月が経ったが、私の臨床が依拠するのは最初からラカンの精神分析についての教えであった。ラカン的精神分析とは何であろうか。ラカンの精神分析についてよく言われるのは、ラカンの精神分析は理論としてはすばらしいものがあるが、臨床とはかけ離れている、というものである。とりわけ、後期ラカンの、ボロメオの結び目を導入した理論的考察は、全く臨床とは関係のない、空虚で哲学的な思弁でしかない、と考えている人も多いようだ。 このような意見には私は決して賛同できない。このような批判はラカンを時間をかけ、辛抱強く、一つ一つのフレーズを丁寧に読みこんだ人から出るものでは決してないとおもわれる。ラカンを学ぶには並々ならぬ忍耐を必要とする。そのような苦労を支払った後、ラカンのすばらしさに少しでも触れた人は、上のように簡単にラカンを批判することはできなくなるはずだ。こうした批判を出す人は、たとえば、ボロメオの結び目の導入が何を意味しているのかわかっているのだろうか。ボロメオの理論については、ラカンについてかなりの理解を示す人の間でも、その真価を見抜けるのはほんの一部の人だけだ。ラカンのボロメオ理論を空論だと批判する者が本当にこのボロメオ理論の意味を理解しているかどうかはかなり怪しいものがあるだろう。彼らの批判は「ラカンのブドウは酸っぱい」と言っているように聞こえる。 こうした批判者は単にラカンを理解していないだけではない。おそらく精神分析そのものについてもあやふやな理解しか持っていないのではないだろうか。現在日本では精神分析セミナーのような勉強会、分析家による講演会が多くなされておりそれなりに出席者もいるようである。出席者達は精神分析の理論を学び、そして治療のための何らかの技法を得ようと目論んでいるに違いない。理論を学ぶというのは良いとしても、技法を得ようとするのは何かの誤解に基づいていると言えよう。なぜなら、精神分析には、基本的なものを除いては、技法など無いからだ。 精神分析が目指すのは、患者に患者自身のもっとも個的で内密な部分に触れさせることである。各患者の持つ特異性を目指すのだ。こうした特異性は決して理論的に把握することはできない。なぜなら、理論とは一般性を持つ概念的装置であって、ある現象の普遍的な部分を捉えるものだからであって、個々のケースの特異性については何も示されないのである。臨床の場では、分析家と患者の出会いがまずあり、分析家の欲望と患者の欲望のふれあいの中で分析作業が進む。そこで出てくる問題は一人一人の患者に特有なものとして、分析家は理論を下に介入するようなことはできない。一つ一つの問題を個別に扱って行かなければならず、それを臨床の場で各分析家が一人で何の助けもな借りずに推し進めなければならない。理論的考察や過去の経験の蓄積に頼ることはケースの特異性を見逃してしまう危険をはらんでいる。フロイト、ラカン、そしてまたビオンのような分析家が、臨床においてはすべての理論を忘れなければならないと説いているのは、まさに精神分析の本質に関わる教えなのだ。 たとえば自然科学においてならば、理論を応用して実践の指標とすることはできるであろう。それは、科学における理論の応用は常に普遍的な現象に対して行われるからである。だが科学は人間の特異性を特異性のままに捉えることはできない。科学はあくまで普遍的な伝達可能性の理想に支えられているのであるから、個々の特異性を自らの存在理由とする人間についての「人間科学」は成立しないのだ。 私が、ラカンの批判者達は精神分析についてあやふやな理解しか持っていない、と言う理由はこれで明白であろう。すなわち、ラカンの理論が臨床に役立たないという人は、理論から臨床的テクニックを得ることができると考えているのであり、個々のケースに一般的な技法を適用することができると考えているに違いない。 精神分析において理論は臨床の手引きとなれないというのなら、一体理論は何のためにあるのか、理論など無くても良いではないかという問いが当然出てくるであろう。 だが、精神分析にとって理論はやはり重要である。なぜなら、精神分析理論のみが精神分析を精神分析として保証できるからである。精神分析はフロイトによって創りあげられた。フロイトの理論が精神分析を精神分析として保証しているのだ。精神分析からフロイトの理論を取り去るともはや精神分析とは言えない心理療法の一種になりさがるであろう。 精神分析を「精神分析療法とは、1回45分以上、週4回以上、カウチと自由連想法を使用し、被分析者の転移と抵抗を分析する治療法である」と定義する者もいる

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