医薬品业界の现状と展望.docVIP

医薬品業界の現状と展望 医薬品業界が21世紀のリーディング産業として期待される理由のひとつに、極めて省資源的でかつ付加価値が高いことが挙げられる。これは、資源の多くを海外に依存している日本においては大きな魅力だ。たとえば医薬品業界は他の製造業と比べてもはるかに高い収益率を誇っている。そもそも医薬品はファインケミカルとも呼ばれる高付加価値製品であり、医薬品産業は典型的な研究開発型産業とされている。開発には相応のコストと時間を要するが、製品が市場に受け入れられればその見返りも大きく、莫大な売上高と高収益をもたらすのだ。他の製造業にも類を見ない研究開発投資を行った上で、高収益を実現していることを見落としてはいけない。 そして市場の大きさ。世界の医薬品市場は2002年で47兆6200億円と言われているが、このうち日本は米国に次ぎ、第二の市場を形成している。今後、アジア地域をはじめとした途上国の経済発展が加速されていくなかで、医薬品市場がさらに大きく拡大していくことは間違いないだろう。また、医薬品業界に対する社会的なニーズの高さがあることはもちろんだ。近年の社会構造の急激な変貌や急速に進む人口構成の少子?高齢化は、疾病の構造および保健医療の構造に大きな変化をもたらしている。特に日本では2020年には国民の4人に１人が６５歳以上となる超高齢社会を迎えることになる。 こうした時代においては、ガン、アルツハイマー病、エイズ、中枢神経系の変性疾患など難治性で複雑な慢性疾患への対策がいっそう期待されるであろう。治療中の患者の苦痛を和らげ、生きることを楽しみながら病気と闘えるよう、「生活の質」（QOL:quality of life） を尊重することもますます重要となる。社会全体としては医療費の抑制が大きな課題にもなっているが、実際にはこの低迷期でも、伸び率こそアメリカ市場に及ばないものの、日本の医薬品市場は着実に拡大している。こうしたことから、医薬品の果たす役割は今後さらに重いものになっていくはずだ。日本産業再生へのベクトルが、技術革新をベースにしていることは間違いない。医薬品業界のビジネス基盤、市場の大きさ、社会的ニーズ、そしてそれら全てをあわせて展望する将来性の高さ。こうして見れば、医薬品業界がＩＴに替わって産業の牽引役になると予想されるのも当然だろう。 日本政府はバイオテクノロジーとナノテクノロジーを産業発展に向けた戦略分野に掲げている。日本が得意とする先端技術分野を融合して、競争力を確保しようというわけだ。もちろん、バイオとナノテクは医薬品産業に関連の深いキーワードだ。すでにナノテクを活用してガン細胞を直接攻撃する制ガン剤の開発なども進んでいる。2002年に設置されたバイオテクノロジー戦略会議では、「バイオテクノロジー戦略大綱」がまとめられ、バイオの中でも特に医薬?医療分野を戦略的産業に育成していく方向が打ち出された。もちろん、いかにリーディング産業としての素質を備えていても、それだけで医薬品業界の発展が約束されたわけではない。日本の医薬品市場は他国からみても有望であり、必然的にグローバルな環境における厳しい競争が前提となるからだ。また、業界全体の発展と、個別企業の発展もまたイコールではない。 では、激化する競争を勝ち続ける上で、医薬品企業はいかなる自画像を描くべきか。厚生労働省がそのガイドラインとして提言したのが、2002年8月に「生命の世紀を支える医薬品産業の国際競争力強化に向けて」と銘打って発表した「医薬品産業ビジョン」。ここでは、医薬品業界を取り巻く環境の変化、内包する課題を踏まえたうえで、10年後における国際競争力ある産業構造の姿を展望。その実現に向けた医薬品産業政策の基本方針と、5年以内に実施する具体的な施策が提示されている。「医薬品産業ビジョン」では、10年後に国際競争力がある製薬企業として、メガファーマ：世界的に通用する医薬品数多く持ち、世界市場で一定の地位を獲得する総合的な新薬開発企業、スぺシャリティファーマ：得意分野において国際的にも一定の評価を得る新薬開発企業、ジェネリックファーマ：良質で安価な後発医薬品を安定的に情報提供を充実させて販売する企業、OTCファーマ：セルフメディケーションに対応し、一般用医薬品を中心に開発する企業。の4タイプを示している。 そして国内の製薬企業に対して「戦略的な経営展開を図り、専門分野において国際的な評価を得られるスペシャリティファーマやジェネリックファーマ、OTCファーマに成長していくことが求められている。さらに、これらのうち少なくとも2、3社は、メガファーマとして発展することが期待される」と述べている。変革の時代は、次の大きな成長につながるチャンスでもある。壮大な期待を担い拡