「甘え」の病理表现.pptVIP

甘えの病理表現 対人恐怖 原因 視線恐怖 被害感 * 対人恐怖 視線恐怖 被害感 　人間は成人期になって、また乳児のごとく、馴れない他人を避ける現象がある。これだけでは必ずしも病的とは言えないが、この傾向が強すぎると、「対人恐怖」になる。 　「赤面恐怖」、「視線恐怖」、「醜貌恐怖」など「対人恐怖症」と診断される者は、「人見知り」が病的な程度に発達した者と考えてよい。 　日本の社会では常に「内」と「外」が区別され、内側では保護され甘えられる仕組みになっているから、外のものに対してすぐに甘えられないので、多少は「人見知り」をしても不思議はないと考えられている。ところが、個人差によって、例えば、先天的に過敏であるためなど、その人間はいつまでも「人見知り」をする「対人恐怖症」を発する。 　　視線恐怖は家族や熟知している人の集団、いわば「親密集団」と、全然知らない人たちの「無関係集団」中では起きない。これが起きるのは、知っているか親密ではない人たちに接している時、例えば、職場とか学校のような人間関係における「中間集団」、中間状況の時に起きるのである。 　日本人は「仲間はずれ」にされる事を極端に恐れる。 　　「被害感」意識には日本語の中に具体的な事実を表す表現が多い。日本語では、英語のように、「大工によって家が建てられた」という表現はなく、「遊び場に家を建てられてしまった」という英語にない受身用法がある。このことと平行して「…してくれる」とか「…してもらう」「…してやる」「…してあげる」という、利益の授受を示す表現が顕著である。日本語にはこのほかにも被害的心理を表すものとして「邪魔される」「邪魔が入る」という表現がある。 　「被害感」意識の原型は「邪魔」意識で、「甘え」の心理と密接な関係がある。日本の社会では「甘え」の心理が支配的であればこそ、「被害者」意識を人々が強く抱くようになるわけである。