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2014 年 3 月 27 日放送 ?第31 回日本美容皮膚科学会① 大会を終えて」 大阪医科大学 皮膚科 教授 森脇 真一 はじめに 第31 回日本美容皮膚科学会総会?学術大会を、昨年平成25 年８月 10 日、11 日の両日、 兵庫県の神戸国際会議場にて大阪医科大学皮膚科を主幹として開催させていただきました。 30 年という本大会の歴史の中で、関西では第23 回大会の京都、第26 回大会の大阪に次 いで３回目、神戸では初めての開催になります。 学会期間中は、午後６時でも気温が 36 度を上回るという猛暑のなか、２日間にわたり、 美容皮膚科医療に携わる全国の専門家（主として皮膚科医、形成外科医）が集まり、美容 皮膚科学に関する臨床的、基礎的研究成果の発表、美容医療についての新技術の紹介、活 発な質疑応答、意見交換がなされました。 今回、登録参加者は 932 名、その他展示などの企業関係者が 373 名、総計 1305 名が神 戸に集まりました。 学会のプログラム構成について 本大会のプログラムには特別講演２、招聘講演１、シンポジウム３の合計 12 演題。さら に教育講演３（６演題）、一般演題56、さらにはスポンサー共催セミナーとして、ランチョ ン６、イブニング３、スポンサードセミナー３、そして企業展示が51 社 68 ブース、ハン ズオンセミナー５社などを盛り込ませていただきました。 学会テーマについて 美容皮膚科学の領域では、毎年新しい機器や技術が開発され、手技に関する新たな知見 も蓄積しており、近年の進歩は著しいものがあります。また、社会での美容皮膚科学に関 する認識やニーズが高まり本学会は今まさに成熟期に入ったと言えます。 そこで今回、成熟期に入っ た日本美容皮膚科学会の学術 大会を開催するに当たり、「も う一度学問として、社会のた めの美容皮膚科学を考えてみ よう」という原点に立ち返っ て、テーマを「この肌と生き る～分子から心まで～」とさ せていただきました。そして、 以下の３点を大会のコンセプ トに取り入れました。 １．美容皮膚科学をサイエンスとして考察する。 ２．日々進歩する美容皮膚科学領域の手技、機器などの最新の知見を提供する。 ３．医師のみならず、美容医療に携わるパラメディカルのスタッフ全てが知っておくべ き美容と心の問題を取り上げる。 の以上３点です。 大会の流れとしては、初日午前は主として基礎、研究セッション、初日午後から２日目 午前にかけては臨床と実践セッション、２日目の午後は心の問題を取り上げるようにプロ グラムを作成しました。 基礎のセッションより まず、最初は基礎のセッションである特別講演Ⅰから始ましたが、当初は土曜午前とい うことで、参加者は少ないと想定しておりましたが、一番大きな会場がほぼ満席だったこ とに驚かされました。 特別講演Ⅰは、長崎大学准教授の荻 朋男先生に、「紫外線高感受性症候群～ＵＶＳＳＡ 遺伝子の発見と病態解析」というテーマでご講演いただきました。 紫外線高感受性症候群（UV sensitive syndrome:UVSS と略す）は、近年新たに提唱さ れた遺伝性疾患、遺伝性光線過敏症です。軽度の光線過敏症に加えて、そばかすのような しみができます。これは、DNA 修復の異常だとわかっておりますが、荻先生のグループは、 新たに新規の遺伝子として、UVSSA （別名KIAA1530）を発見されました。一昨年のこと でしたが、しみ、そばかすの遺伝子がわかったということで、当初はマスコミでも話題に なった素晴らしい業績です。 UVSSA の機能としては、転写共益ＤＮＡ修復と言う、DNA 修復にかかわる因子であっ たわけですが、今後はしみ、そばかすのメカニズムの解明が急速に進むのではないかと期 待しております。 続きまして行われた教育講演Ⅰ、Ⅱでは、分子、細胞の観点から、サイエンスとして美 容皮膚科学を論じていただきました。 最初の演者はカネボウ化粧品の高橋 慶人先生で、「DNA からみた美容皮膚科学」。 ２つ目の演題は、琉球大学皮膚科准教授の高橋健造先生により、「表皮から