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III. 1.3　外付け木製ルーバーの開発 平成 15 ～ 16 年度　民間共同研究 金森主任研究員，機械科，加工科，接着塗装科，防火性能科，オイ レス E C O 株式会社 　温暖な地域では夏期の日射熱を取 り込み過ぎると， の材面は水性木材保護着色塗料で仕上げた。屋外暴 室温の上昇や冷房負荷の増大を招 くことになる。 こ 露試験の結果，集成材の羽根板は断面形状にかかわ の対策 としては，開口部の 日射遮へい，開口部や床 りなく，両樹種 とも乾燥材に比べて反 りや割れが少 下からの通風による放熱などがある。開口部の うち， なく，ウエスタンレッドシダーの乾燥材 とほぼ同程 窓の 日射遮へいについては，窓の内側にブライン ド 度の測定値を示 した。 や レースを取 り付けるよりも，外側にルーバーやひ さしを付加する方が省エネ効果は高い と指摘 されて いる。 　近年，窓の 日射遮へいのほかに，通風や防犯の機 能も兼ね備え，キャッチコピーが 「夜は通風可能な 雨戸，昼は光量調節可能なブライン ド」 と言った外 付けルーバーが市販 されている。国内メーカー 6 社 の年間出荷量は 15,000 セットを超えているが，これ らの羽根板はすべてアル ミ合金製である。 　そこで，本研究では民間との共同研究によって， 羽根板に木材を用いた外付け木製ルーバーの製品開 第 1 図　外付け木製ルーバー 発を目的としている。木材の長所である 「景観調和 性に優れ，熱伝導率が低 く，紫外線の反射が少ない」 　試作 した外付け木製ルーバーを第 1 図に示す。羽 を活かし，短所である 「反 りや割れが発生しやすい」 根板の角度調整 と開閉を機能させるための枠組みは， をどのように克服すべきかが主要な課題 となってい オイレスECO株式会社製の市販品 （開口面積 ：幅1.5m る。 ×高さ1.0m，羽根板の角度調整 と開閉 ：リングロー 　平成 15 年度は製品コンセプ トを作成 し，屋外暴露 プによる手動式）を用いた。羽根板は暴露試験の結 試験によって羽根板の仕様 （材料，断面形状など）が 果 と，試作品の耐風圧性や防犯効果を考慮 して，曲 反 りや割れなどの寸法安定性に及ぼす影響について げ剛性値がアル ミ合金製のものに近似 しているヤチ 検討すると共に，羽根板の角度調整 と開閉の両機能 ダモ集成材の表面を凸状に削ったものとした。 を有する木製ルーバーを試作 した。 　16 年度は，枠組みと羽根板の取 り合い部分を現状 　製品コンセプ トは 「エアコンが普及 している温暖 よりも強固にすると共に，試験施工や羽根板の屋外 な地域の住宅，集合住宅および福祉施設などの窓の 暴露試験などによって外付け木製ルーバーの実用性 うち，当面は雨水が直接あた りにくく，開口面積が を高 め る予 定 で あ る。 また ，オ フ ィス ビル の 比較的小 さな窓の外側に取 り付けるもの」などとし ダブルスキン （建物の外皮をガラスなどで二重化 した た。 構造で，この間に下部開口部か ら外気を取 り入れ， 　羽根板は道産材 （エゾマツ，ヤチダモ）の乾燥材 日射熱による上昇気流を利用 して上部開口部から排 および集成材 とし，比較のためにエクステ リア向け 出す ることで換気 を行 うシステム）に用いる木製 木材 として高い評価を得ているウエスタンレッドシ ルーバーについても検討する予定である。 ダーの乾燥材を用いた。 これ らの断面形状