「ポストペタスケールコンピューティングのためのフレームワークとプ.pdfVIP

平成 22 年度 実績報告 「ポストペタスケールコンピューティングのためのフレームワークとプログラミング」 平成２２年度実施報告書 研究代表者 佐藤三久 筑波大学?計算科学研究センター センター長?教授 １．研究実施の概要 現在、最先端の計算科学に用いられる高性能計算システムの性能はペタフロップス（1 秒間に 1,000 兆回の演 算能力）に達し、ポストペタスケールシステムとして、エクサスケールのシステムに向かおうとしている。我々の目 標は、ペタスケールコンピューティングを超えてエクサスケールコンピューティングに到達する、超最先端の高性 能コンピューティングへの道を開拓するべく、ソフトウェア技術、プログラミングモデルおよび言語を確立すること である。 初年度である当該年度においては、ここの要素技術について、予定されていたタスクグループで検討を進め、 全体のプロジェクトに繋がる、いくつかの成果を得た。日本側のチームにおいては、マルチコア環境における集 団通信の最適化手法の設計とプロトタイプ（タスク２東大チーム）、GPU クラスタ向けの高性能通信ライブラリのた めの予備実験、故障検知および通知（タスク２東工大チーム）に関する設計を行った。また、大規模データ管理 については、フランス側とともに、ポストペタスケール時代におけるデータ共有ソフトウェアアーキテクチャの概念 設計を行った。さらに、CPU と GPU を統合的に利用するためのプログラミングインタフェースとして、XMP を拡張 して検討?設計した（タスク３筑波大グループ）。また、複数 GPUを用いたアプリケーションを性能モデルベースの 性能チューニングをおこない、自動チューニング可能なフレームワークの検討を行った（タスク３東工大グルー プ）。 また、マルチコア向けの階層的並列構造を持つハイブリッドアルゴリズムによる固有値解法や FFT などの数値 の数値アルゴリズムについて、検討し、評価した（タスク４筑波大グループ）。マルチコアおよび GPU クラスタ向け 科学技術アプリケーション開発基盤の設計とプロトタイプ開発を行った（タスク４東大グループ）。さらに、ライブラ リ構築フレームワークの構築にむけては、基本的な要件、特にライブラリ／アプリケーションの記述方法の要件を 明らかにするためのケーススタディを実施した（タスク４京大グループ）。 以上、日本側の研究においては着々と進行している。しかし、今年度においては、フランス側とキックオフのミ ーティングを９月に開催し、プロジェクトの意識合わせと計画の検討を行ったが、実際にフランス側でプロジェクト が開始されたのは日本側からほぼ半年おくれでスタートしている。そのため、それぞれのタスクでの成果の検討 ととりまとめ、特に、プロジェクトの異なる研究項目間のインタフェースの検討については、来年度前半に行う予 定である。 1 平成 22 年度 実績報告 ２．研究実施体制 グループ名 研究代表者又は 主た 所属機関?部署?役職名 研究題目 る共同研究者氏名 筑波大グルー 佐藤 三久 筑波大学?計算科学研究センタ ポストペタスケールコンピュ