観測ロケットにおける構造上の諸問題（その1）.pdfVIP

190 生　産　研　究 観測ロケットにおける構造上の諸問題　（その1） 池 田 健 　1．はしがき 　最近の航空学は推進機構と空気力学において驚異の進 大体200sec』1程度の値である．全重量「vは燃料の撚 歩をなしつつある．すなわち，ジェットおよびロケヅト 焼と共に減少するから，時間の函数として エソジyの大きな推進力により超音速で超高空の飛行が 　　　匹耽一?一畷?一殊）?…?…??（3） 可能となり，また，空気力学は選音速および超音速の流 となる．ここでκPは燃料重量比で，全燃料とロケット れを理論的に解明し，その実験のため大規模な風洞が各 の初期全重量と比w乃／Woを示す値である． 国に作られている． 　いま，伽のロケヅトの性能におよぼす影響を調べるた 　これに反し，構造設計と強度解析の研究は比較的遅れ めに空気抵抗を無視した場合を考えてみる。Aerobeeや ており，最近特に見るべき進歩はない．構造方面の急速 われわれの計画中のKAPPA程度の大きさで到達高度 な進歩なくしてes　，現在の推進機構と空気力学の分野の 100km程度を目標とするものでは空気抵抗の性能におよ 進歩を十分に高速飛行の性能向上に利用することはでき ぼす影響は非常に大きく，到達高度におよぼす影響は数 ない，Vケット飛翔体は，たとえ現在は人間の乗らない 10％にもおよぶが，Ptケットが大型になるに従い重量お ものであっても，将来の航究機の進歩の一つの方向を示 よび推進力は胴体直径の3乗に比例して大きくなるが， すものである．筆者は生研で計画されている観測ロケッ 空気抵抗は2乗に比例するから，空気抵抗の影響は相対 トの構造設計に当り，諸外国のロケット構造設計上の資 的に小さくなる．V－2　Ptケット程度になると到達高度に 料の発表されているもの，およびわれわれの入手できる 対する空気抵抗の影響は10％以下になる．また到達高度 もののいかに少ないかに驚き，かつ，設計の困難さを痛 が10km以ドのロケットでは速度も小さいから空気抵抗 感した．本稿の目的は観測ロケットの構造強度上の諸問 の影響は少ない．（1）で空気抵抗を無視して，（2）およ 題を概説し，この方面の開発に対し一一一??般の関心を促すと び（3）を入れると 共に専門家の教示と援助の機会を得たいことにある． 　　釜穿、一々｝聯＋一?…（4）（燃焼中） 　2．構造重量と性能 　ロケットの上昇運動を決是するものは推進力と空気抵 　　農一一9－……?…??……………（?）（燃焼後） 抗と重力である．したがって，到達高度を高くするため となる．（4）および（5）は容易に解くことができるか には初期全重量（Wo