国際原子力会議に出席して-repository.dl.itc.u.pdfVIP

225 第8巻　第5号 岬鰍羅　1 聯灘 轡癒 国際原子力会議に出席して 加　藤　正　夫 パーパー博士の演説があった，いずれも平和を希求し． パレ?ヂ?ナシオン 原子力平和利用のための国際協力を強調したものであワ 　昨年夏スイスのジュネーブで”原子力平和利用国際会 た．バーバー議長の演説の内容は次のように要約できよ 議”が開催され，私は日本代表団の一員として出庸した う?すなわち，人類の歴史におけるエネILギー利用の発 ので，この会議の模様を紙面の許す範囲で報告する． 展過程とその瞑向を概観したあとで，原子力ガ将来の動 　まずこの会議の或立の経過から説明することにする． 力源として絶対に必要であるということはもはや疑ない それは1953年12月8日に行われたアイゼソハワーの国 ことであり，さらに核融合反応を何等かの方式で制御し 際連合における演説が動機となり，1954年12月4目に これを平和目的に利用することも20年以内に可能とな 国連総会に提出された七ケ国共同修正決．議案に基いて開 るであろう．かくして匙界のニネルギー問題は永遠に解 催されるに至ったのである．その趣旨は，決議文中にあ 決されるであろう，と結んだ． るように”原子力が人類の平和的事業にのみ役立ち，か っその使用を精力的に促進する”t：めの純粋に科学的抜 　この後の部分の内容が各国代表ならびにオプザーパー のジャーナリスト達を刺戟し多くの議論の琶とな．．．たの 術的国際協力の場たらしめることにあったのである．日 である．開会勢頭のこの興奮は世紀の大科学会譲にある 本は末だ国連加盟国ではないので招待を受けて参加する いはふさわしいもののようにも私には感ぜられた、世界 ことになったのである． の72国から出席した代表ならびに顧問の総数は1、260 　このため昨年2月に日本学術会議に準備委員会を設け 名，提出論文数約ユ，600，そのうち口答発表になったも て日本から提出する論文の取りまとめを行ワた．私は放 射性同位元素の工業的志用面での取りまとめの役を仰せ のが約600であった．使用国語は英?仏?露Lスペイ っかワて委員として参加しt二?各方面のことがらが慎重 y?麦那の5力国語であったが，イヤホーソによる同時 通訳が行われたのである．これまで多くの部分が機密保 審議され，すでに斬聞その他で発表されたよ5に32件 持のカーテソに閉されていた原子力およびアイソトープ の論文が提出された?このうち6件が国際会議準備委員