子育て支援家庭教育支援における養成講座研修講座のご提案.pdfVIP

○ｃ研修の提案 ひだまりの会 高山静子 子育て支援?家庭教育支援における養成講座?研修講座のご提案 １ 研修企画をたてる前に～子育て支援の基礎知識 （１） 地域子育て支援の種類 地域子育て支援は、親が得られるサービスによって分類すると、居場所交流?託児?相 談?学習?情報提供?グループ支援?訪問の７種類に分けることができます。 支援の場によって、一つだけの機能を果たしているところもあれば、複数の機能を果た しているところもあります。たとえば、電話相談員は「相談」機能だけを果たし、つどい の広場は「居場所交流?相談?学習?情報提供」を果たします。その場が果たしている機 能によって、求められる知識?技術?態度は異なります。子どもを預かる人と相談を受け る人には違う知識と技術が必要です。また同じ相談機能であっても、対象者が変わると必 要な知識と技術は異なります。たとえば、広場のなかで相談を受ける人よりも、電話相談 や予約面接相談を受ける人には心理や病理に関する専門性が必要となります。 （２） すべての地域の大人による子育て支援と、特定の場における子育て支援 本来「子育て」は地域のすべての大人の役割です。しかし、子どもが地域のなかで、自 然に地域の人とかかわりを持つことは困難になりました。また親も地域のなかで自然に子 育て中の仲間と出会うことが難しくなっています。そのために、子育て支援の場や機会を つくることが求められており、子育て支援に関する講座が必要になっています。 子育て支援には、①地域や家庭で日常的に自然に行うことができる支援（近所の子ども に声をかける、おすそ分けをするなど）と、②広場や一時預かりなど、ある特定の場で行 う支援（一時預かり、広場など）とがあります。 子育て支援に関する講座にも、①多くの人が地域の子どもを育てる意識を持つための「子 育て支援講座」と、②ある特定の場において支援を行うための「支援者養成講座」があり ます。「地域で子どもを育てる」ためには、地域に住むすべての大人の意識を高め、子育て 支援のすそ野を広げていく講座と、特定の場における支援の知識や技術をもった人を育て る講座を、バランスよく実施していく必要があります。 また、子育て支援には、予防や育成にかかる支援と、深刻な問題にかかる支援がありま す。遊び場づくりや遊びの支援など予防育成は、比較的誰でも気軽にかかわりやすい支援 です。特別な援助が必要な子どもの支援や、問題発生後の支援には、一定の専門性が必要 であり、別途の研修が必要となります。 （３） 子育て支援リーダーと、現場の支援者 ある特定の場において支援を行うための「支援者養成講座」を行う場合、どのような場 の支援者を養成するかによって講座を組み立てると同時に、支援者のタイプに留意して講 座を組み立てる必要があります。 子育て支援者と呼ばれる人には、3 つのタイプがあります。（2004 武田）（１） ① 現場の一員として活動できる〔マイクロレベルの支援ができる〕、 ○ｃ研修の提案 ひだまりの会 高山静子 ② 組織のリーダーとして活動できる〔メゾ?マクロレベルの支援ができる〕 ③ ①と②を兼ね備えている 地域子育て支援センター研修の場合は、①の支援者向け研修となります。育児サークル のリーダーは、③の支援者向け研修となります。つどいの広場や子育てネットワークなど 子育て支援グループには、①と②と③の支援者がいます。上記のどのタイプの支援者を対 象として研修を行うのか留意し、内容との整合性を持たせることが必要です。 ２ 講座の計画?実施 （１）講座の目的 「子育て支援講座」は、より多くの、幅広い立場の人が、地域の子どもに関心をもち、 子育ての現状を知り、行動する人を増やすために行われます。地域で子どもを育てる社会 の実現が講座の目的です。たとえ支援者が養成されても、自園に人を多く集めることや自 団体が立派な支援をすることを目的としていたのでは、支援者を養成しても「地域での子 育て支援」は実現しません。 これに対して、「支援者養成講座」は、特定の場における支援者に必要なある一定の知識? 技術?態度を獲得することが目的です。 （２）講座の内容 子育て支援講座?家庭教育支援には、次の３つの種類があります。 ① 地域のすべての成人を対象に「地域で子どもを育てる」意識を涵養し行動する人を増 やす講座 ② 子育て支援の場やある立場において支援を行う人を養成する講座 ③ 子育て支援を既に行っている人に対して研修を行う講座 ①の講座は、現在ほとんど行われていません。時々有名人を講師とした子育て支援イベ ントが行われていますが