「異物の侵入」に注意！－子どもの口、鼻、耳、眼に－.pdfVIP

記者説明会資料 平成 21年3月5日 独立行政法人国民生活センター ＊１に注意！ 「異物の侵入」 －子どもの口、鼻、耳、眼に－ 危害情報システム＊２には、10歳未満の子どもの「異物の侵入」による事故情報が 2,995 件寄せられている（2003 年 4 月から 2008 年 12 月まで、参考資料参照）。危害部位別にみ るとタバコの誤飲等による腹部、食道などへの危害が最も多く、全体の 6割を占める。食 ＊３ 料品による事故では、 「こんにゃく入りゼリーによる事故」 などで消費者に注意喚起し てきたところである。 他方、子どもの身の回りにある小物類の 「異物の侵入」による事故も多い。侵入部位は、 口、鼻、耳、眼の順で多く、「吸盤が複数付いているボールの吸盤 1個を 1歳男児が飲み込 み、内視鏡で取り出した」、「幼児がボタン電池を鼻の穴に入れてしまった状態で１ヶ月位 びちゅうかく が経ち、鼻中隔が溶けて穴があいていた」など意外な小物類により起こっていることがわ かる。 そこで、小物類を飲み込む、詰め込むなどの「異物の侵入」による事故を紹介し、再発 防止・拡大防止のための注意喚起を行う。 ＊１：本来入ってはならない物が体内に入った状態をいい、電池を飲み込んだ、洗剤が目に入った、針が 腕に刺さったなどが該当する。 ＊２：商品やサービス等により生命や身体に危害を受けたり（危害情報）、そのおそれがあった情報（危 険情報）を、消費生活センター及び全国の危害情報収集協力病院（20 病院）からオンラインで収集・ 分析し、消費者被害の未然防止・拡大防止に役立てることを目的として作られたシステム。 ＊３：「またひとり こんにゃく入りゼリーで死亡－子どもや高齢者に絶対に与えない！－」（2008 年 9 月30日:公表） １．侵入部位からみた小物類による事故例 （１）口から 【玩具のボールの吸盤を誤飲した事故例】 1歳 4ヶ月の男児が、吸盤が複数付いているボール（写真 1）の吸盤を飲み込んだ様 子だった。受診し X線検査（レントゲン）をしたが、異物は発見されなかった。3日後 嘔吐が激しくなり、別の病院を受診した。経過観察をしていたが入院 2 日後の CT（コ ンピュータ断層撮影）検査により異物を発見した。全身麻酔をかけて胃カメラ、内視 ゆ う も ん ぶ 鏡を用いて異物を除去した。胃の幽門部に蓋をするような格好で吸盤が入っていた。 1 取り出したプラスチックの吸盤は胃酸等の影響から硬くなっていた（写真 2）。（事故発 生年月：2008年 9月、1歳、男児、愛知県、消費生活センター） ＜担当医（江南厚生病院 こども医療センター 鈴木道雄 医師）からのコメント＞ CT 検査により異物を発見できた。栄養分が胃から腸へと流れていく道（幽門部）を 塞いだために、嘔吐が続き脱水状態だった。ゴム様の柔らかい素材でも胃酸により硬 く変化することがあるので、誤飲には注意が必要である。 写真 1.玩具のボールのイメージ写真 写真 2.吸盤の写真 （写真提供：江南厚生病院 こども医療センター） 【その他事故例 協力病院より】 ・10 円玉を口に咥えたまま転倒し、そのはずみで飲み込んでしまった。嘔吐が 2～3 回あった。レントゲンで異物を確認し、ファイバースコープにて除