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事例問題に基づく法律知識ベースと論争システムを活用した法創造教育 研究発表者名： 吉野 一 （明治学院大学法務職研究科） 共同研究者名： 加賀山 茂 （明治学院大学法務職研究科） 櫻井 成一朗 （明治学院大学法務職研究科） 鈴木宏昭 （青山学院大学文学部） 新田克己 （東工大大学院総合理工学研究科） 太田 勝造 （東京大学大学院法学政治学研究科） 連 絡 先 ： （〒108-8636 東京都港区白金台 1-2-37 明治学院大学ヘボ ン館 8 階 70801 号室、Tel:03-5421-5310､ Fax:03-3444-3871、email: hyoshino@ls.meijigakuin.ac.jp） １．はじめに（問題の所在） 知識を獲得する創造的思考能力が育成される。 現代の社会 状況は急激 に変化しグローバル化して われわれは、事実性の豊かな事例問題として、法律 いる。それに対応して、そして創造的な問題解決能力 事 務 所 での弁 護 士 と依 頼 人 のインタヴュー・シーンや を備えた法律家を育成することが急務となっている。し 実際に起ったあるいは起こりそうな事件のシーンのビデ かし、従来の、伝統的な法学教育は、これに答えること オによる事例問題および裁判に提出される手紙、ファ ができていない。それは、講義による法的知 識の一方 クス、内容証明、契約書、インタヴュー記録からなる事 的 な供 与 を中 心 とし、学 生 にはまず知 識 の部 品 や体 件資料の形の事例問題を作成した。これらの教材は、 系を与えるという方法であり、学生が興味を持ちにくく、 法創造教育支援システムに掲載し、ネット上でアクセス 知 識 の実 践 的 意 味 を理 解 しにくく、知 識 の定 着 率 が できるようにした。 低いという欠 点があった。そして創造 的思考を促 進せ このような事 実 性 の高 い事 例 問 題 に基 づいてその ず、かえって、知識がないと問題解決できないという硬 問題解決の作業の中で法創造的思考を育成するとこ 直 した思 考 様 式 の弊 害 をもたらした。また知 識 がある ろの、法創造教育支援システムを活用した方法の２つ 場合でも、覚えたパターンをちょっとでも逸脱すると、問 を以下に紹介する。 題を解決できないこととなってしまう。 ２．２ 法律知識ベースを活用した法創造教育 そこで、われわれは、文 部 科 学 省 科 学 研 究 費 特 別 法律知識ベースシステムは、法の知識を論理構造化 推進研究の助成を受けて、学生の創造的法的思考能 して登 載 していて、事 例 問 題 に対 する法 の適 用 の推 力 を育 成 する教 育 、すなわち、法 創 造 教 育 の方 法 の 論を行い、法的判断とその根拠となる推論過程を示す 開発研究を行い、その成果を教育実践している。 とともに、法 的 知 識 （の構 造 ）自 体 を参 照 することので ２．改善内容と方