財団法人デイリー保険福祉事業団が主催する第 期デイ ….PDFVIP

中高年の膝関節痛 財団法人デイリー保険福祉事業団が主催する第 17期デイリー健康大学の第 4 回講座において当院の院長 木屋博昭 医師が「中高年の膝関節痛」と題して講演をしました。 講演内容は、中高年に多く見られるロコモティブ・シンドローム（ロコモ）と変形性膝関節症について。ロコモ とは『骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰えると、暮らしの中の自立度が低下し、介護が必要となったり、寝 たきりになる可能性が高くなり、運動器障害のために要介護になったり、要介護になる危険性の高い状態』をいい、 次のうち、１つでも該当すればロコモの可能性があります。 ①片足立ちで、靴下が履けない ロコモの原因としては ②家の中でつまづいたり、滑ったりする ①変形性膝関節症 ②骨粗鬆症 ③階段を上るのに、手すりが必要である ④横断歩道を青信号で渡りきれない ③脊柱管狭窄症などがあげられ、2008 年のデータによると、 ⑤15分くらい続けて歩けない 『50 歳以上のＸ線上の変形性膝関節症患者は 2400 万人で、2030 年には ⑥2ｋｇ程度の買い物（1?の牛乳パック2個程度） をして持ち帰るのが困難である 2700 万人を超えると推計される。』と全国的にロコモの患者は増えつつあ ⑦家のやや重い仕事（掃除機の使用、布団の 上げ下ろしなど）が困難である。 ります。これは、言うならば延岡市の、65 才以上の方の 7 割（約 2 万人） が、膝が痛いということになります。 １つでも該当すればロコモの可能性がある。 ロコモの原因として最も多いのが変形性膝関節症で、その症状としては 左図のようなものが代表的です。 主に、50～70 歳代の方の膝の痛みの症状です。 ① 歩き初めた時、膝に痛みがある ② 階段の上り下りの時に膝に痛みがある ③ 立ち上がるときに膝に痛みがある ④ 膝に水がたまって腫れる ⑤ 朝起きた時に膝がこわばる ⑥膝の内側を押すと痛みがある 変形性膝関節症のレントゲン診断では、初期・中期・末期と正常からグ レード別に５段階に分けられます。 また、変形性膝関節症は悪く言うと治りません。進行をいかに止めるか、 60 才の人が 50 才の頃には絶対に戻らないので現状をいかに続けるかとい うことが重要となってきます。そのためには、一日でも早く見つける事が 大切です。 クリックしてタイトルの挿入 治療法としては、保存療法と手術療法があります。保存療法では、生活 指導や薬物療法、装具療法、運動療法などがあります。手術は、保存療法 をして、治らなかった場合にします。 自分で治す運動療法も大切です。太ももの大腿四頭筋を強くすれば膝の軟 骨にかかる重みが減るので磨り減りにくくなります。椅子にすわって、太 ももをあげたまま 10～20 秒間止める運動を 20～30 回、朝夕 2 回ほどして ください。2 週間ほど