メタンハイドレート開発計画について.PDF

メタンハイドレート開発計画について 平成１３年７月１９日 経済産業省資源エネルギー庁 石油・天然ガス課 我が国周辺に相当量の賦存が期待されているメタンハイドレートについて エネルギー資源としての利用を図るため、昨年６月に経済産業省にメタンハ イドレート開発検討委員会（委員長 田中 彰一 東京大学名誉教授）を設 置し、約１ヶ年かけて、メタンハイドレートを経済的に掘削、生産回収する ための「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」をとりまとめた。 当該計画は、米国と並び世界に先駆けて中長期的視点で取り組むものであ り、経済産業省としては、今後、本計画を踏まえメタンハイドレート開発を 推進していく。 なお、メタンハイドレート開発の重要性は、総合資源エネルギー調査会石 油分科会開発部会において指摘されているところ。 １．メタンハイドレートについて (1) メタンハイドレートは、日本近海に我が国の天然ガス消費の１００年 分が埋蔵されているとの試算もあり、その活用が可能となれば、我が国 も、英国が北海油田を発見し石油・天然ガスの供給国となったように、 エネルギー資源大国となる可能性がある。 経済産業省では、平成７年度からメタンハイドレートに関する調査研 究に着手。平成１２年１月に静岡県御前崎沖南海トラフにて試錐を行い、 海洋では世界で初めて砂層中のメタンハイドレートを確認したところ。 (2) しかしながら、メタンハイドレートは非在来型の資源であり、経済的 に開発を行うかについて以下のような課題があり、中長期的な取り組み -1- が必要。 ①日本近海にどのくらい存在しているかの調査が不十分（探査並びに試 掘は御前崎沖以外では行われていない。また、メタンハイドレート探 査精度の向上が必要。） ②メタンハイドレートは地中に固体で存在し、井戸を掘っても自噴しな いため、従来の天然ガスの開発手法は適用出来ず、新たな採取技術の 開発が必要。 ③採取技術等を開発するうえで不可欠な地中のメタンハイドレートの機 械的強度、分解生成挙動等の基礎的特性がほとんど解明されていない。 (3) 今般取りまとめられた総合資源エネルギー調査会石油分科会開発部会 報告書においては、「国が主体となって中長期的な視点で 、技術開発や基 礎試錐等を拡充していくことが重要である。また、その際、経済産業省 に設置され検討が行われているメタンハイドレート開発検討委員会の報 告を尊重すべき」とメタンハイドレート開発への積極的取り組みの必要 性を指摘。 ２．メタンハイドレート開発計画の概要 (1) ①メタンハイドレート賦存海域の探査及び資源量評価手法の確立 ② メタンハイドレートからメタンガス生産手法の確立及び現場産出試験の 実施 ③開発に伴う環境影響評価及び経済性評価手法の確立等を図り、 ２０１６年度までに日本周辺海域におけるメタンハイドレートの商業的 産出のための技術を整備する。 (2) 開発は、以下の段階的なアプローチにより進めていく。 【フェーズⅠ（２００１年度～２００６年度】） ○我が国近海域での物理探査、試錐によるメタンハイドレート賦存有望 地域の選定、産出試験実施場所の確定 -2- ○カナダ陸域でのメタンハイドレート産出試験、並びに生産技術の検証 ○メタンハイドレートに関する基礎研究（探査技術、分解生成技術等） 【フェーズⅡ（２００７年度～２０１１年度】） ○我が国のメタンハイドレート賦存有望地点での海洋産出試験、並びに 評価 ○メタンハイドレートに関する基礎研究（生産技術、環境影響評価等） 【フェーズⅢ（２０１２年度～２０１６年度】） ○商業的産出のための技術の整備、並びに経済性等の評価 (3) 計画の推進にあたっては、我が国の石油開発産業のみならずガス・重