高等学校地理歴史科(日本史B)学習指導案.PDFVIP

高等学校 地理歴史科(日本史Ｂ) 学習指導案 期 日 平成２１年１０月２９日(木) 会 場 佐賀県立致遠館高等学校 社会科教室 対 象 ３年２，３組日本史Ｂ選択者 (男子１８名 女子１９名 計３７名) 授業者 佐賀県教育センター所員 酒井 成海 授業の概要 本講座授業のテーマは，単元の核となる人物の人物像に迫り，その人物がかかわった歴史的事象に ついて考察させる授業です。人物を身近に感じられるように様々な資料を活用して，そこから分かり づらい経済分野にも生徒が興味 ・関心をもって取り組める授業を提案します。 １ 単元名 金解禁と昭和恐慌 ２ 単元設定の理由 昨年９月の“リーマン・ショック”から１年が経過したが，今日でもなお，その影響は続いている。 今回の大不況の下で，政権交代という大きな変化が起きたのと同様，これまでも恐慌を契機として日 本社会の変化はたびたび見られた。その代表的なものが昭和恐慌である。ここでは，金解禁を断行し た浜口雄幸内閣と，未曾有の大恐慌となった昭和恐慌にスポットを当てて，それらの背景について考 察させたい。 授業を行うクラスは，３年生文系の地理，世界史との２クラス同時展開の構成であり，生徒たちは 教師の声に熱心に傾聴し授業に臨んでいる。基礎的 ・基本的な事項を再確認しながら，学習内容に対 しての理解をより一層深めさせたい。 生徒たちが苦手としやすい近代経済史を，浜口内閣の代表的経済政策である金解禁と昭和恐慌を軸 に学習していく。1920年代のほぼ慢性的な不況状態を打開すべく，浜口雄幸内閣は，井上準之助大蔵 大臣を中心に経済政策を行った。結局は，昭和恐慌，浜口首相の狙撃事件，満州事変，後継の若槻内 閣崩壊という形で，金解禁政策は終焉を迎えるが，その一連の流れを理解させたい。また，金解禁政 策を理解する上で，金本位制に対する理解が不可欠であるため，この点に留意して授業を進めていき たい。 ３ 単元の目標 浜口雄幸と井上準之助の二人によって進められた金解禁を中心とする経済政策について，多角的な視 点で考察させ，歴史的事象に様々な見方や考え方があることを理解させる。 ４ 単元の評価規準 関心 ・意欲 ・態度 思考 ・判断 資料活用の技能 ・表現 知識 ・理解 ・第一次世界大戦後の国 ・第一次世界大戦後の度 ・第一次世界大戦後の世 ・浜口内閣の政策に関す 際社会の動向，国内政治 重なる経済不況，対外政 界的な経済の混乱，各政 る基本的な事象，及び昭 と経済の動揺，アジア近 策の推移，各政策が社会 策が社会 ・経済に及ぼし 和恐慌が社会 ・経済に及 隣諸国との関係などに対 ・経済に及ぼした影響か た影響について，文書や ぼした影響，国民の浜口 する関心と現代に通じる ら課題を見いだし，地理 新聞などの文献，統計資 内閣に対する視線などに 課題意識を高め，国際社 的条件ともかかわらせて 料，絵画，音声などの諸 ついて，国際社会におけ 会における日本の立場な 多角的に考察するととも 資料を活用して，歴史的 る日本の立場と関連付け どを意欲的に追究してい に，国際社会の変化を踏 事象を追究する方法を身 て総合的に考察し，それ る。 まえ公正に判断している。に付けるとともに，追究 らを知識として身に付け し考察した過程や結果を ている。 適切に表現している。 - 1 - ５ 単元の指導計画 （全２時間） (1) 1920年代までの，金本位制度の変遷と，日本の経済状況…１時間 (2