平成20年12月17日国土交通省自动车交通局政策统.PDF

放射性同位元素陸上輸送安全対策検討会 報 告 平成２０年１２月１７日 国土交通省 自動車交通局 政策統括官 目次 はじめに １．事案の概要・経過 ２．今般の事案を踏まえた検討課題 ３．紛失防止対策 ４．万一の紛失の際でも適切な取扱いを確保する対策 ５．運搬規則の遵守確保策 ６．紛失発生時に関係者がとるべき措置 ７．まとめ （参考資料） 資料１ 放射線障害防止法によって規制されている放射性同位元素の陸上輸送中の紛失・盗難事例について 資料２ 今般の紛失事案における契約関係及び輸送経路等について 資料３ 放射性同位元素の陸上輸送に係る現行の法令体系等 資料４ 放射性輸送物の分類 資料５ 現在行われている紛失防止対策例 資料６ 放射性同位元素の輸送物の表示に係る措置について（通知） 資料７ 放射性同位元素等車両運搬規則に関するチェックリスト（例） はじめに 1 （社）日本アイソトープ協会（荷主 ）が、平成２０年９月２４日に京都医療科学大学（京都府南丹 市）に向けて発送した放射性同位元素（リン３２、量１ミリリットル）が、到着予定の翌２５日になっ ても到着せず、関係者による捜索にも関わらずいまだにその所在が不明である、という事案が発 生した。2 放射性輸送物については、放射性同位元素等車両運搬規則（以下「運搬規則」という。）等の 関係法令が梱包や取扱方法を定めており、これに従って取り扱う限り安全上の問題はない。しか しながら、荷物の紛失は、紛失荷物を入手した第三者が適切に取り扱わない場合、被ばくするお それを考慮する必要があるほか、社会的な不安を与えることになるため、紛失を防止するための 適切な措置を講じる必要がある。また、今般の事案においては、一部の運送事業者が、運搬規 則を遵守していなかった事実が明らかになったことから、規則不遵守の事情を明らかにして、確 実に法令を遵守するような方策を講じる必要がある。 本検討会は、放射性輸送物の紛失や運送事業者の運搬規則違反の再発を防止して、確実か つ安全な放射性輸送物の運送を確保する（すなわち、運送の品質を保証する）ために必要な方 策を検討することを目的として設置されたものである。平成２０年１０月１７日の第一回会合以降、 １１月５日に第二回、１１月２７日に第三回、１２月１７日に第四回の会合を行って、この報告をとり まとめた。 1 以下、本報告において「荷主」とは最初に荷物を送り出す者をいう。 2 過去における同様の事案については、資料１のとおり。 1 １．事案の概要・経過 （社）日本アイソトープ協会及び本件荷物の運送に関与した（株）日陸、西濃運輸（株）、大阪航 空サービス（株）からの報告をもとにまとめた事案の概要・経過は次のとおりである（以下、関係 の法人をそれぞれ、「アイソトープ協会」、「日陸」、「西濃」、「大阪航空サービス」と表記する）。 （１） 所在不明となった本件荷物の概要 形 状 ：段ボール箱 １箱（外寸法２１．５ｃｍ×２１．５ｃｍ×２２ｃｍ） 内容物 ：リン３２ １ミリリットル（放射能の量：３７ＭＢｑ、半減期１４．２日） （外装プラスチック容器（直径５．５ｃｍ×高さ８．０ｃｍ）１本に封入） （２） 事案の経過（資料２参照） ○ 本件荷物は、アイソトープ協会が日陸へ運送を委託し、アイソトープ協会市原配送施設に おいて梱包された後、日陸から西濃に引き渡された。（９月２４日 １４時５０分）。 ○ その後、本件荷物は、西濃錦糸町航空海運営業所、羽田空港、伊丹空港を経て、西濃豊 中支店に到着したことが確認されている（９月２４日 ２３時頃、西濃豊中支店において、本 件荷物と原票（送り状）とが照合されている）。 ○ 西濃豊中支店においては、大阪航空サービスが荷物を集荷のうえ、同支店を出発した（９ 月２５日 １時００分）。集荷にあたっては、